ワークシェアリング、ワークライフバランス、社内公募制度
ここでは、ITに直接な関係はありませんが、勤務形態に関する近年の話題や傾向を、トピックス的に列挙します。
日本の労働環境に関して
・実質労働時間が長い
・就職機会がなく失業率が高い
・正規社員と非正規社員の格差が大きい
などが大きな課題になっています。
その対策として、ワークシェアリングが話題になっています。
ワークシェアリングとは、仕事(ワーク)を共有(シェアリング)しようということですが、次のような定義があります。
また、内閣府「世界経済の潮流 2002年春」では、次の2つに分類しています。
「雇用維持型」も重要ですが、根本的な経済の回復・発展のためには「雇用創出型」の実現が求められます。
EUが雇用創出型を重視しているのは、「オランダの奇跡」が背景にあります。
1980年頃のオランダは、深刻な経済の低迷と失業者の増加で「オランダ病」といわれていました。その対策として、政府、経営者団体、労働組合の3者が、
・労働組合は賃金抑制に協力する。
・経営者は雇用の維持と就労時間の短縮に努める。
・政府は減税、財政支出抑制を図り、企業投資の活発化、雇用増加を実現する。
を基本とする「ワッセナー合意」を策定し実行しました。
・雇用維持だけでなく、新雇用創出による消費拡大したこと
・正規社員と非正規社員の転換は労働者の権利として、同一待遇を実現したこと
が大きな原動力になり、1990年代には、オランダはECの優等生になったのです。
ワークライフバランスとは、仕事(ワーク)と生活(ライフ)の調和(バランス)のことです。
内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/20barrier_html/20html/charter.html)では、次のように説明しています。
具体的には、以下のような社会を目指すべきだとしています。
・就労による経済的自立が可能な社会
・健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
・多様な働き方・生き方が選択できる社会
その実現のためには、社会全体の運動として広げていく必要があるとしています。
社内公募制度とは、会社が必要としている職種や職務の要件を社員に公開し、応募者の中から必要な人材を登用する仕組みです。新規事業やプロジェクトの立ち上げなどに際して、広く人材を求めるときに活用されますが、日常的に公募している会社もあります。
FA制度とは、社員がキャリアやスキルを登録して、部門からのスカウトを受ける仕組みです。一定のキャリアやスキルをもつ社員、高い業績をあげた社員にFA権が与えられます。
これらの制度の採用により、次のような効果が得られます。
福利厚生施策の一つで、勤務時間とは無関係ですが、ここに掲げておきます。
選択型福利厚生制度ともいいます。以前から勤続年数や資格取得などに対して現金や記念品を支給する制度がありました。カフェテリアプランでは、その代わりにポイントを与えます。ポイントを得た従業員は、その範囲内で各人が希望する福利厚生制度が選択できる制度です。
その福利厚生は、必ずしも企業のもつサービスではなく、社外サービスも利用できます。また、カフェテリアプランを対象にしたサービス提供企業も出現してきました。