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M/M/1型待ち行列の理論に従ったシミュレーションを行います。すなわち、客は平均λのポアソン分布に従う到着率で到着し、窓口が空くまで待ちます。窓口では平均1/μの指数分布に従う時間でサービスを受けた後、この系から去ります。
M/M/1型待ち行列では、多様な理論値が公式になっていますが、ここでは、それを知らないで実験的に求めることにします。必要な知識は、λを指定したときの時間tは、0~1の乱数をRとしたとき、
t = -(1/λ)*log(R) (logは自然対数)
であることだけです。
シミュレーション開始直後は定常状態にならないので、サンプルとしては不適切ですが、「どのようにシミュレートしているか」を理解するには、開始直後のほうがわかりやすいと思います。下表の最初の10人までを参照してください。
客全体を表示すると膨大になるので、最初、中段、最後の10名だけを表示します。
シミュレーション結果と公式による理論値との比較をします。差異が生じているのは、
・最初の数名の客は開店当初の状態であり、定常状態になっていないこと
・客数が少ないので、乱数発生に偏りがあること
のためです。
現実のレジなどでの経験と比較すると、シミュレーションの結果は極端な現象になっています。それは、到着間隔やサービス時間が0に近い値が発生する確率が大きいこと、確率が小さいにせよ極端に長い値が生じることにあります。そのため、実際には確率分布を工夫することが必要です。
それを回避した例を、「待ち行列のシミュレーション(三角分布)」で示しました。