Web教材一覧> ネットワーク> インターネットへの接続(目次)
ここでは、個人が自宅からパソコンでWeb閲覧や電子メールを利用することを対象にします。
インターネットを利用するには、キャリア(電気通信事業者)が敷設した回線(この部分をアクセス回線といいます)により、ISP(Internet Service Provider:インターネット接続事業者)と接続します。ISP(プロバイダ)は、アクセス回線をインターネットに接続します。このISPより向こうの回線をバックボーン回線といいます。
このとうな仕組みなので、キャリアとのアクセス回線利用の契約とISPとのインタネット接続サービス契約が必要になります。
キャリア(電気通信事業者)、ISP(プロバイダ)、宅内配線、DTE、DCE、アクセス回線、引込線、バックボーン回線、インターネット利用契約
引込線の取付口が回線加入者とキャリアの責任分界点になります。分界点より内部は個人が構築する宅内配線で宅内LANになります。
DTEとDCEを総称して、CPE(Customer Premises Equipment:顧客宅内機器)といいます。また、DCE機能を内蔵しているDTEもあります。この場合はハードウェアとしてのDCEは見えません。
多くのIPSは、各地域にアクセスポイント(AP:集線設備)を設置しています。アクセス回線とは、ISP局あるいは最寄りのアクセスポイント(ここでは総称してISPといいます)と家庭とを結ぶ回線です。
アクセス回線のうち、電柱に設置した分配器から向こうの回線を幹線といい、分配器から家庭までの部分までを引込線といいます。
幹線は通常は光ケーブルなどの高速回線で、キャリアが敷設しています(CATV事業者が敷設していたり、ISPがキャリアから借用して独自の回線としていたりすることもあります)。引込線は利用者がキャリアと契約したときに敷設されます。
図では省略していますが、ISPに達するまでにはキャリアの交換局(電話局など)などを通過し、ISP内部でも様々な通信制御機器を介してインターネット接続のルータに伝送されます。
Webページの閲覧や電子メールの送受信は、Webサーバやメールボックスが接続している他のISPとの接続が必要になります。このようにISP間の伝送に用いられる回線をバックボーン回線といいます。
多数のIPSが相互に個別に回線接続したのでは複雑ですし不経済です。そのため、郵便局が街中の郵便局、地域郵便局、中央郵便局と階層化しているように、バックボーン回線も階層化しています(狭義には、その最上位階層である超高速回線をバックボーン回線ということもあります)。
このように、キャリア契約とISP契約は別途のものなのですが、完全に分離できないこともあります。
大手キャリアはIPS関係会社をもっており、そのISPとの契約もセットにしていることもあります。
逆に、IPSがキャリアの回線を借り受けて、回線契約とセットにしているケースもあります。
CATVでの契約では、通常は既にTV受信のために回線料金を負担しており、インターネット利用はオプション料金になります。既存の回線がアクセス回線になるし、IPS関係会社をもっていることもあります。
スマートフォンなどの契約では、ハードウェアの販売会社がキャリアでありISPでもある(別会社であっても系列である)場合があり、しかも電話料金もあるので、契約形態や料金体系は多様になっています。
利用者は、明示的にはバックボーン利用料金を負担していません。しかし、キャリアやISPへの料金でバックボーン利用料金を分担しているのです。
上述したように、バックボーンでは多数のキャリアやISPが回線や設備を持っています。キャリアやISPは、他社の回線の使用料や相互接続料を支払い、あるいは受け取って経営しているのです。これらの原資は利用者からの料金です。