高等学校学習指導要領、普通教科、情報A、情報B、情報C、社会と情報、情報の科学、専門教科
1999年3月の高等学校学習指導要領改正により,「情報」が高校での正課になりました(小中学校の学習指導要領は1998年に改正)。
情報教科は普通教科と専門教科に分かれます。
普通教科「情報」は,生徒の多様な実態に応じ,「情報A」,「情報B」及び「情報C」(いずれも2単位)から構成され,このうちから1科目をすべての生徒に履修させる科目とする必履修教科になっています。いずれの科目を履修しても,「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」が身に付くようになっています。
現行の高等学校学習指導要領(第2章 普通教育に関する各教科 第10節 情報)では,この教科の目標を
「情報及び情報技術を活用するための知識と技能の習得を通して,情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。」
としています。
教育基本法の改正(平成18年)に伴い、平成21年3月に高等学校学習指導要領が改正されました(情報教科関係抜粋)。
平成25年(2013年)4月入学の生徒から適用されます。
現行の体系が策定されたのは、パソコンを触ったこともない高校生がかなりいるような頃でした。現在では、パソコンやインターネットは小学生でも使っており、情報化社会の影の面が問題視されるようになりました。それで、従来の体系や内容を見直す必要があると指摘されてきました。今回の改正は、そのような時代に合わせたものです。
改正された高等学校学習指導要領では、本教科の目的を
「情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ,情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。」
としています。
普通教科では、従来の「情報C」が「社会と情報」、「情報B」が「情報の技術」に変更になり、「情報A」はこの二つに分割吸収されました。内容も重点が変更になりました(図示)。
専門教科「情報」は、将来の情報関連技術者に適した教科です。普通教科よりも専門的に高度な内容で、主に情報学科や情報を重視した高校で採用されています。3分野11科目があります(図示) (内容詳細説明)。
専門教科「情報」の目的は、
現行の高等学校学習指導要領(第3章 専門教育に関する各教科 第7節 情報)では、
「情報の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、現代社会における情報の意義や役割を理解させるとともに、高度情報通信社会の諸課題を主体的、合理的に解決し、社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる」
としており、今回改正の高等学校学習指導要領(第3章 主として専門学科において開設される各教科 第7節 情報)では、
「情報の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,現代社会における情報の意義や役割を理解させるとともに,情報社会の諸課題を主体的,合理的に,かつ倫理観をもって解決し,情報産業と社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。」
としています。
倫理観(情報モラル)が追加されており、重点とする内容に若干の変更がありますが、科目体系など大きな変更はありません。