J07、JABEE
大学でのIT教育を向上させるため、各科目の内容・レベルの共通なものさしにするためには、教育するべき分野を体系化して科目の内容を明確にする標準カリキュラムが必要です。
情報処理学会は、大学における情報技術教育の標準カリキュラム「J07」を策定しています。世界標準である米国IEEE/ACMのCC2001-CC2005を土台として、日本の情報専門教育の状況に対応した見直しを行ったものです。
従来のIT教育では、計算機科学として、コンピュータの理論やアルゴリズム理論などの基礎技術に偏っている傾向がありましたが、J07では、企業での経営や組織、具体的なシステム構築や運用、セキュリティと倫理など、いわゆる文系的な分野も広く取り入れています。
コンピュータ科学(J07-CS)
情報システム(J07-IS)
ソフトウェアエンジニアリング(J07-SE)
コンピュータエンジニアリング(J07-CE)
インフォメーションテクノロジ(J07-IT)
一般情報処理教育 GEBOK(JO7-GE)
参照:
情報処理学会「情報専門学科におけるカリキュラム標準 J07」
IT関連知識能力の評価には、情報処理技術者試験などの資格試験や共通キャリア・フレームワークなどのスキルレベル評価がありますが、これは大学生に限定したものではありません。大学卒業生としてIT教育を履修したことを認定するには、これらとは別途な評価が必要になります。
その制度に、日本技術者教育認定制度(JABEE:Japan Accreditation Board for Engineering Education)があります。対象は技術教育全般ですが、IT分野もその対象になっています。
大学など高等教育機関で実施されている技術者教育プログラム(カリキュラム)が、社会の要求水準を満たしているかどうかを認定する制度で、世界各国で実施される技術者教育を相互承認するワシントン協定に加盟しています。大学の教育内容を保証するだけでなく、このプログラムを履修した学生を、技術者として必要な教育を受けたものとして国際的に保証するものです。