インタフェース
インタフェースとは、機器間の接続方式のことです。
類似用語
パソコンと周辺機器間のデータ転送のための接続口は、端子、コネクタ、ポート、スロットなどの呼び方があります。
端子やコネクタは物理的、ポートは論理的なニュアンスの違いがありますが、あまり厳密ではなさそうです。ここでは、特に区別していません。
スロットは、パソコン内部のマザーボードに置かれた内蔵機器やコネクタへの接続口として使われることが多いようです。
接続口の形状や送信方式などをインターフェースといいます。インタフェースは次のように区分できます。
インタフェースの区分
- 内部インターフェースと外部インターフェース
- インタフェースとは、機器間の接続方式のことです。パソコン内部での接続のためのインターフェースを内部インターフェース、パソコンと周辺機器や通信回線との接続を外部インターフェースといいます。
- デジタルインタフェースとアナログインタフェース
- ほとんどのインターフェースはデジタルインターフェースですが、旧式のパソコンでは、マウスやキーボードなどと接続するPS/2、テレビとビデオ間のAV端子などのアナログインターフェースが用いられていました。
- 有線インタフェースと無線インタフェース
- USBコネクタなど、ケーブルを通して接続するインタフェースを有線インターフェースといいます。それに対して、Bluetoothなど電波を用いるもの、IrDAのように赤外線を用いるものを無線インタフェースといいます。
- シリアルポートとパラレルポート
- 一度に1ビットずつ、逐次的にデータを送る方式をシリアル通信、ビット群が一度に送る方式をパラレル通信といい、それぞれのポートをシリアルポート、パラレルポートといいます。シリアルのほうが高速通信ができるため、多くのポートはシリアルポートですが、旧式の周辺機器ではパラレルポートになっていることがあります。
バス
バスとは、コンピュータ内部でCPUや主記憶装置、入出力装置などの装置間を結び、データや信号を伝達するための共用の伝送路のことです。バスの動作は、クロックにより同期をとりながらデータをやり取りします。
バス幅とは、一回のクロック信号で同時に送れるデータ量のことです。データ伝送を行う信号線の本数が32本ならば、1クロックで32ビットが伝送されるのでバス幅は32になります。
なお、内部バスのクロック周波数をコアクロック周波数、外部バスのクロック周波数を外部クロック周波数といいます。
データを伝送するときに外部データバス幅を制御するモードをバスのアクセスモードといいます。
伝送信号による区分
伝送する信号により3つの伝送路があります。装置間の接続にはこれら3つの伝送路がセットになっています。
- アドレスバス
- データ伝送に先立ち、データの取出先や格納先を指定する信号を交換するバスです。一回の伝送で何ビットのデータを送れるかをアドレスバス幅といいます。32ビット幅では4GBまで、64ビット幅では16EB(エクサバイト、2の60乗)まで単一の領域として管理できます。
- データバス
- データ本体の伝送路です。入出力機器との伝送のように多量のものもあるし、演算装置での入力データや演算結果など少量のものもあります。
- コントロールバス(制御バス)
- アドレスバスやデータバスから実際に入出力を行うタイミングや、装置間での必要な制御情報をやり取りする信号バスです。この信号を受け取ることにより、アドレスバスで指定されたメモリや入出力装置はデータバスとの入出力を行います。
接続対象による区分
バス
├内部バス(CPU内部バス) CPU内の演算装置とキャッシュメモリ間
├外部バス
│ ├システムバス チップセットを中心とする接続
│ │ ├フロントサイドバス(FSB) CPUとチップセット間
│ │ └メモリバス チップセットとメインメモリ間
│ └入出力バス 入出力装置との接続
└拡張バス コンピュータに機能を追加するために接続するバス。拡張カードとの直接接続バスなど。
チップセット
チップセットとは、コンピュータ内部のマザーボードなどに実装されるICチップです。
パソコンとパソコンに搭載または繋がれている機器の橋渡しをする役割でブリッジともいいます。CPUやメモリー、内部機器や各種スロットなどの機能が統合されており、通常のパソコンは、チップセットを介して各装置と通信します。
ノースブリッジ:CPU、MCH(メモリコントローラハブ)、GPU(グラフィック機能)などとの高速接続。
サウスブリッジ:LANやUSBなど外部周辺機器との接続
チップセットの構造を示します。チップセットのメーカや型番により若干の違いがあります。
主な拡張バス
ここでは、内蔵機器を対象にしていますが、外部へのコネクタを介して、周辺機器との接続に使われることもあります。
- AGP(Accelerated Graphics Port)
- ビデオカード(ディスプレィ用の記憶装置)とメモリ間の専用バス(データ伝送路)の旧規格です。
です。
- PCI(Peripheral Components Interconnect)
- コンピュータ内部で装置間を結ぶデータ伝送路(バス)の規格の一つで、パソコン内部の各パーツ間を結ぶバス規格です。
旧規格にISA(Industrial Standard Architecture bus)がありましたが、現在では使われていません。
PCIで通信する拡張カードをPCIカード、それをマザーボードに差し込むための端子をPCIスロットといいます。
- PCI Express(PCIe)→写真
- 現在、グラフィックスボードや内蔵ディスク(特にSSD)との接続などに用いられているバス規格です。
上記のAGPやPCIはパラレルインタフェースでしたが、PCI ExpressはPCIをシリアルインターフェイスにして高速化したものです(パラレル/シリアルは後述)。
SSD(Solid State Drive)とは、フラッシュメモリを用いたディスクです。磁気ディスクと比べてはるかに高速ですが、従来のPCIの速度ではSSDの性能を引き出すことができず、PCI Expressが策定されました。
- IDE(Integrated Drive Electronics)
- ATA(Advanced Technology Attachment)
- 磁気ディスク(通常は内蔵ディスク)との接続の旧規格です。現在はSATAに移行しています。
- SATA(シリアルATA;Serial Advanced Technology Attachment)
-
ATAがパラレル接続方式だったのを、シリアル接続にして高速化したものです。
主に内蔵の磁気ディスクや光ディスクとの接続に用いられます。スター型の1対1の接続です。
SATA・・・150Mbyte/s
SATAⅡ・・300Mbyte/s
SATAⅢ・・600Mbyte/s
- mSATA(Mini SATA)
ノートパソコンなどにカード型SSDなどを装着するためのSATA
- eSATA(External SATA)
外付けドライブ向けに拡張されたSATA。ホットプラグに対応。最大1.2Gbpsの転送速度
マザーボードのチップセットからのSATAスロットの写真を右に掲げます。これからケーブルで内蔵ディスクや外部へのコネクタに接続します。
- AHCI(Advanced Host Controller Interface)
- SATAは接続方式のプロトコルですが、実際に通信するには読み書きの命令に関するプロトコルが必要です。AHCIはSATA接続を通して命令の伝達が最適に行うためのプロトコルです。転送速度は6Gbpsです。
- NVMe(Non-Volatile Memory Express)
- PCI Expressを用いて、SSD(内蔵、外付け)に特化した規格です。SATAよりも高速でSSDの機能を引き出すのに適しています。
- SATA/AHCIは、HDDを対象としていました。そのため最大でも6Gbpsの転送速度でした。それに対してNVMe/PCI ExpressはSSDを対象にしており、32Gbpsになります。
- SATA/AHCIでは、I/Oで多くの割込みが発生するのに対して、NVMe/PCI Expressでは割込みを大幅に削減する対策によりオーバーヘッドタイムを小さくしています。
- 高度な並列処理を行っています。
- しかし、SSDの性能を十分に利用する必要のない(大量・高速なI/Oを必要としない)環境では、NVMeにする利点は限定的です。
- しかも、個人用の周辺機器ではNVMeコネクタを装備しているのはまだ稀です。
- パソコン内部のバスやチップセットなどが、NVMe/PCI Expressに対応した性能を持っていなければなりません。
- そのため、NVMeはサーバなどに用い、個人利用のパソコンではSATAを用いるのが通常です。
周辺機器との有線接続
パソコンと周辺機器の接続をポートとかコネクタといいます。
パソコンと周辺機器の接続ケーブルはストレートケーブルを用います。
シリアルポートとパラレルポート
周辺機器を対象にした記述ですが、パソコン内部での内蔵機器とも接続でも同様です。
シリアルインターフェースは、1ビットずつ転送する方式で、パラレルインターフェースは、複数ビット(8バイト、32ビットなど)を同時に転送する方式です。
一見、パラレルのほうが高速なようですが、パラレルでは、複数の信号がすべて同時に送出され、同時に届くことを前提にしています。しかし、信号の転送時間は配線の長さや形状その他の条件で変化するので、多ビットに対応した配線を同一条件にするのは困難です。それに対して、シリアルでの高速化技術が急速に発展してきました。その結果、シリアルのほうが高速転送が実現しやすいのです。
そのため、新規の規格はシリアルが主流になり、従来パラレルを対象にしていた規格もシリアルの規格ももつようになりました。
IDE(パラレル)→ATA(パラレル)→SATA(シリアル)
SCSI(パラレル)→SAS(シリアル)、NVMe(シリアル)
PCI(パラレル)→PCI Express(シリアル)
現在主流となっているUSBポートやIEEE1394などはシリアルインタフェースです。
パラレルポートは,セントロニクスともいいます。以前はプリンタとの接続によく用いられるので,プリンタポートともいいわれていました。現在はUSBが主流になっています。
シリアルポートは、1ビットずつ転送するのにピンが多数なのは、送信用/受信用だけでなく、多数の信号用/制御用の伝送路があるからです。
当初は25ピンだったのですが,次第に重要ではないピンが淘汰され、形状の小さい9ピンのほうが普及しました。
シリアルポートの規格をEIA-574といいますが、むしろRS-232Cとして流通しています。RS-232Cも25ピンから9ピンに移行しました。
モデム,ターミナルアダプタ,プロジェクタなどの接続に用いられます。最大転送速度は約100kbps。
周辺機器との接続方式
パソコンのコネクタに複数の周辺機器を接続するには、スター接続、ツリー接続、デイジーチェーン接続があります。これらは互いに組み合わせることができます。
- スター接続
- パソコンのポート1つに対し1台の周辺機器を接続する方式です。
パソコンに複数のポートを置くことにより、スター型に複数の周辺機器が接続できます。
通常のコネクタは、スター接続を前提としており、接続機器を用いてツリー接続にしています。
- ツリー接続
-
リピータハブを用いて枝分かれさせながら接続する方式です。
USBでは、一つの入口端子を複数の出口端子を持つUSBハブ(USB分岐器)があり、これによりツリー状に接続できます(右図)。
- デイジーチェーン接続
- デイジーチェーンとは、周辺機器を数珠つなぎのように直列に接続する接続形式です。
各周辺機器は入口と出口の接続ポートを持ちます。
ハブなどの追加機器が不要な利点がありますが、回線線が長く接点数も増えるため、信号の減衰や歪みなどが発生しやすい欠点があります。
デイジーチェーン接続ができる機器にはIEEE1394(FireWire)やSCSIがあります(USBではUSBハブを数珠つなぎできますが、通常はデイジーチェーンとはいいません)。
便利な機能
- ホット・プラグ機能(ホットスワップ機能)
- パソコンや機器の電源を入れたままコネクタの抜き差しができる機能です。
従来は,本体の電源を入れる前に周辺装置の電源を入れる(切るときはその逆)とか,本体を使用中に周辺機器を取り付けたり外したりできませんでした。そのため、パソコンを使うときには、利用する周辺機器を予定する必要があり面倒でした。
USB、IEEE 1394、SATAなどがホット・プラグ対応で、デバイスドライバも対応していますので、近年では当然の機能になっています。/dd>
- プラグ・アンド・プレイ機能
- 周辺機器をパソコンに接続したとき,システムへのデバイスドライパの組込みや設定を自動的に行う機能です。
現在ではほとんどすべてのインタフェース規格がこの機能に対応しています。
- バスパワー機能
- コネクタ、ケーブルを通して、パソコンから周辺機器に電力を供給する機能です。
(これに対して、電池や電力線からACアダプタを介して電力を得ることをセルフパワーといいます)
USBやIEEE 1394、PS/2がバスパワーに対応しています(SCSIは対応していません)。
電力消費が少ない周辺機器は,電源に接続することなしにUSB接続するだけで電力供給を得ることができるので、電力線が不要になりました。
通常のUSBでは、1コネクタから電圧5V、電流500mA、電力2.5Wまでの電力が供給できます。それで、キーボードやマウス」などには使えますが、プリンタ、ディスプレイ、外付けディスクなど電力消費が大きな周辺機器には使えません(でした)。
USB3.1以降はUSBパワーデリバリ(USB PD:Power Delivery)規格が策定された。100Wまでの電力供給が可能となりました。
USB
USBは,マウスやキーボードから各種外部記憶装置まで多様な周辺機器に接続でき,次のような長所を持つので,近頃は広く用いられるようになり,他の接続ポートは次第に廃れる傾向にあります。
- ハブを介して最大127台の周辺機器をツリー状に接続できます。ほとんどの周辺機器と接続ができる汎用的な接続インタフェースです。シリアルインタフェースです。
- プラグ・アンド・プレイ機能、ホット・プラグ機能、バスパワー機能をもっています。
USBの名称と転送速度
USB1.1 12Mbps
USB2.0 480Mbps
USB3.0 5Gbps(スーパースピード)bps
USB3.1 10Gbps(スーパースピードプラス)
USB3.2 20Gbps(スーパースピードプラス)
USB4 40Gbps(新規格)
転送速度の規格でも互換性があるので、例えばUSB2.0とUSB3.0の接続はできます。しかし転送速度はUSB2.0になります。
USB 3.1の「3.1」は規格名です。また、アップデート(世代)番号として「Gen」があります。
以前は、USB 3.1に次の2つがありました。
「USB 3.1 Gen 1」は、転送速度がUSB 3.0と同じ5Gbpsです。
「USB 3.1 Gen 2」は、その第2世代で、10Gbpsです。
それが、USB 3.2の策定とともに、次のように変更されました(されるそうです)。
USB3.1 Gen 1は「USB3.2 Gen 1」へ名称変更
USB3.1 Gen 2は「USB3.2 Gen 2」へ名称変更
USB3.1は「USB 3.2 Gen 2×2」へ名称変更
USB PD(USBパワーデリバリ)
USB2.0では、1コネクタから最大電圧5V、電流500mA、電力2.5Wまでの電力が供給できました。
追加仕様のUSB-BC(Battery Charge)では、7.5Wでした。
USB3.1では、5V、900mA、4.5Wになり、その追加仕様でのUSB PDでは一挙に20V、5A、100Wの電力を供給することができるようになりました。
これにより、ディスプレイ、プリンタ、ディスクなどの小電力タイプのものは、USBから電力供給できるので、電力線の配線が不要になります。特にモバイル環境では便利です。
USB PDを利用するには、パソコンと周辺機器の双方がUSB PD以上に対応して、USB-Type Cコネクタが装備しており、それをUSB Type-Cケーブルで接続する必要があります。
なお、USB PD対応機器はUSB3.1にも対応しますが、USB3.1対応機器がUSB PD対応だとは限りません。
USBコネクタの形状
- Type-Aはパソコン側、Type-Bは周辺機器側のコネクタです。
USB2.0までの標準です。
- 3.0 Type-Bは、USB3.0、USB3.1での周辺機器側です(パソコン側はType-Aと同形状)
- Mini-USBは、USBコネクターのミニバージョンです。
Micro USB は、Mini-USBをさらに小型化したものです。丈夫で、抜き挿しの際の耐久性が高いという特徴があり、これが主流となっています。
デジタルカメラ、スマートフォン、タブレットなどで使われています。これらを主機とするときはA、パソコンと接続するときはBを使います。
Type-C
Type-Cは、USB3.1で制定された新しいコネクタ規格です。
USB3.1では従来のType-A/3.0Type-Bも使えますが、USB3.2からはType-Cだけになりました。パソコン、周辺機器の一方が旧規格の場合は、一端がType-C、他端がType-A/3.0Type-Bのコネクタを持つケーブルで接続します。その場合、旧規格の転送速度になります。
- コネクターの絶縁体部が青色(従来は黒か白)だが規格化されていない。
- サイズは小さい。従来のMicroポートとほぼ同じ。
- 仕様が一本化され(A,Bの区別なく)パソコン側にも周辺機器側にも利用できる。
- 上下が対象で挿入が便利
- 中を通る電気信号は従来のUSBポートと互換性があり、変換アダプターや変換ケーブルを使って従来のUSBポートと接続できる。
- 電力のキャパシティが大きく、スマホなどの充電時間が短縮される。
- ケーブル最大長が1mで短い。
USBでのデータ転送方式
すべてのUSB機器のデータ転送は同一のプロトコルバスをタイムシェアリングすることで行います。USBでの転送の種類にはコントロール転送、バルク転送、インタラプト転送、アイソクロナス転送があります。
これらの転送モードのどれを使うかは、周辺機器が設定情報(コンフィギュレーションデータ)として持っていて、接続したときににコントロール転送を使ってパソコンにその情報を送ることにより設定されます。
- コントロール転送
機器のセットアップや設定パラメータ転送に用いる少ないデータ量の半二重通信です。
すべての機器は、この転送方式を必ず利用します。
- バルク転送
高信頼性や高速性が要求されますが、リアルタイム性は要求されない転送方式です。
通常の外部記憶装置、プリンタ、ファイル転送などに用いられます。
- インタラプト転送
小容量データの低速転送でかまいませんが、短い一定周期で送信または受信を行うための転送方式です。
例えばキーボード入力では、キーを押すたびにディスプレイに経過が表示されます。これは短い間隔でパ本体からキーボードに信号を送り、変化があったらその情報を取り込むようにしています。マウス、ジョイスティックなども同様です。
- アイソクロナス転送
正確性を少々犠牲にしてもリアルタイム性が重要な転送に適した方式です。
電話や放送などの情報は、転送するパケット間での時間間隔が長くなると、無音や画面停止の状態になってしまいます。反面、パケット中に誤りがあっても、脱落しても大きな影響はありません。
このように、一定時間内のデータ量が保証されたリアルタイム性が要求される転送方式です。
スピーカ、マイク、電話などアナログ的な情報を扱う機器で用いられます。
他のコネクタ
- RS-232C
- シリアルポートのインターフェース規格で、主としてモデムなどの通信用として策定されました。その後、プロジェクタや端末にも用いられましたが、低速なため、現在ではほとんど使われていません。
- SCSIポート
- SCSI(スカジー)は,周辺機器を数珠つなぎのデイジーチェーンで接続するインタフェースです。
USBが普及する以前に広く利用されていたで,光磁気ディスク,スキャナ,プリンタなど多様な周辺機器を7台(あるいは15台)チェーン状に接続できます。
チェーン状に接続するため、周辺機器に必ず1対の入口と出口のコネクタがついています。
SCSIはパラレル方式です。その後、シリアル方式を採用したSAS規格が出現しました。
- SAS(Serial Attached SCSI)
- SCSIの後継規格です。デイジーチェーン接続を継承しています。シリアルインタフェースにしたことにより、高速、高信頼性を実現しました。
また、SATAは、SASのサブセットでもあり、SATAの周辺機器はSASに接続できるが、その逆はできません。
- IEEE1284
- セントロニクスが開発したプリンタ用パラレルインタフェースで、広く普及し、IEEEで規格したものです。「プリンターポート」とも呼ばれ、パソコンとプリンターやプリントサーバーを接続する際に用いられました。現在ではUSBに取って代わられました。
- IEEE1394
-
FireWireとも呼ばれます。SCSIの後続規格で高速です。音声や映像などの転送に適したブロードキャスト転送方式を採用しています。
デイジーチェーン接続だけでなくツリー接続もできます。
プラグ・アンド・プレイ機能、ホット・プラグ機能、バスパワー機能をもっています。
バスパワーに対応した6ピンと非対応の4ピンのコネクタがあり、6ピンコネクタは、最高33V/1.5Aの供給ができます(通常のUSBより大電力)。
アイソクロナス転送ができます。
- Thunderbolt
- IEEE1394の後継として開発された規格で、技術的にはPCI ExpressとDisplayPortを基盤としています。また、デイジーチェーンもサポートしています。
Thunderbolt 3ではコネクタにUSB Type-Cコネクタを利用し、転送速度40Gbpsを実現しています。
通信プロトコルでは、USBを含み、PCI ExpressやDisplayPortもサポートしています。
Thunderbolt 3 ≒USB4,0という見方もできます。
- カードスロット
- PCカードやSDカードの差込口(スロット)です。カードのサイズにより、多様なコネクタがあります。
代表的なインターフェースにPCMCIA、その後継規格のPCI Express、ExpressCardなどがあります。
USBポートと同様、プラグアンドプレイ、ホットスワップの機能をもっています。
スマートフォンやデジカメには、本体にそれぞれによく用いるカードに対応するスロットを装備しています。
パソコンでは、通常はUSBコネクタがあるだけで、それから変換ケーブルによりカードを接続します。
- 2.4GHz方式
- 2.4GHz帯域を用い、USBコネクタに差し込んだ小さなレシーバーを使って通信を行う接続方式です。Bluetooth機能を備える必要がなく安価です。パソコンとマウス・キーボードとの接続に用いられています。
- Bluetooth
- これも2.4GHz帯域を用いますが、Bluetoothという規格に従った機器間での通信で、情報端末だけでなく、冷蔵庫や空調などの白物家電の制御にも用いられます。
- IrDA(Infrared Data Association)
- 赤外線を使った無線通信規格です。 通信可能範囲は30cm~2m程度。 赤外線は可視光線に近い周波数帯ですから、通常の電波の影響を受けません。しかし、見えない間では通信できないことがあります。家電機器を制御するリモコンのほとんどはIrDAが用いられています。その他、デジタル・カメラやスマートフォンなどをパソコンと接続するのにも使われています。
- サウンドコネクタ
-
サウンド機器やマイクからの入力、スピーカやヘッドフォンへの出力の端子です。
右図は最もシンプルなもので、複数のスピーカがあるときははジャックが追加されます。
それぞれの色は決まっています。
ここでの伝送はアナログです。アナログ⇔デジタル変換はパソコン内部で行われます。
- LANコネクタ
-
LAN(イーサネット)への接続口です。
ケーブルでLANサーバ(ルータ)などと接続します。ケーブルの端子に外れないように爪があります。そのため、コネクタが凸型になっています。
- PS/2ポート
-
キーボードやマウスとの接続に用いられていました。現在ではこれらはUSBあるいは無線で接続するようになりました。
ディスプレイやTVのインターフェース
ディスプレイ表示を高速に行うための機器をグラフィックボードとかビデオカードといいます。グラフィックボードの接続プロトコルには、グラフィックボードとマザーボードを接続する「内部インターフェース」とグラフィックボードとディスプレイを接続する「外部インターフェース」があります。
- PCI Express
- 内部インターフェースでは、以前はAGPが使われていましたが、現在ではPCIを発展させたPCI Express が主流になっています。(前述)
- AV端子
- テレビとビデオをアナログデータとして接続する規格です。現在はほとんどがデジタル機器になったので使われなくなりました。
赤、白、黄の3つの端子があります。
- D-sub
- 外部インターフェースでは、アナログ用であるD-subが広く使われていました。VGA端子、アナログRGB端子ともいいます。
- DVI(Digital Visual Interface)
- しかし近年では、外部インターフェースとして、デジタル用のDVIが主流になっています。より鮮明な画像が表示できます。
- HDMI(High-Definition Multimedia Interface)
- 主にパソコンやゲーム機とテレビとのデジタル接続に用いられます。
一切アナログ変換をしないので高品質の映像になります。
映像・音声・制御信号の伝送を1本のケーブルで実現します。
4k放送には、8k放送対応にはHDMI2.0以降、8k放送にはHDMI2.1以降が使われます。
- DisplayPort
- HDMIと同じ用途で、4k以上の動画に適しています。バージョンにより異なりますがDisplayPortのほうがより高解像度になっていますが、古いディスプレイでは対応していないし、対応ケーブルが未だ高価です。
コネクタの拡充
上述のようにコネクタの種類は多様です。これらのコネクタをすべてパソコンに装備するのは困難です。特にノートパソコンやスマートフォンでは、小型化・薄型化のため、装備できるコネクタ数は限られます。
同じ種類のコネクタを増設するのでしたらハブで接続すればよいのですが、USB、SCSI、DVI、カードスロットなど多種のコネクタを増やすことが求められます。
- 変換アダプタ(変換ケーブル)
- 一端をUSBなどでパソコンに接続し、他端に多様なコネクタを備えた機器あるいはケーブルです。
いろいろな組合せがありますが、SDメモリカードのminiとmicroの変換など同系列での変換など単純なものが主流です。
安価なので、目的に応じて購入することができます。
- ポートリプリケータ
- ポートリプリケータとは、パソコンに搭載されていない各種ポートを装備し、パソコンとはUSBやeSATAなど1本で接続できるようにした機器です。
ノートパソコンの筐体側部や背部に取り付ける形状のものが主流です。特定のパソコンに特化しているので、パソコンとセットあるいはオプションとして販売しています。取外付が容易なのでオフィスでは取り付けて作業し、外出時には取り外すという使い方ができます。
スマートフォンを対象にして、複雑な作業を行うことを目的としたものもあります。
- ドッキングステーション
- 大型で各種の機能拡張が可能にしたポートリプリケータのことですが、その境界は曖昧です。ポートリプリケータがパソコンに付着しているのに対して、ドッキングステーションとはパソコンとはケーブルで分離したものだという解釈もあります。それで変換アダプタまでもドッキングステーションといっている製品もあります。