ディレクトリサービスとＬＤＡＰ

ディレクトリサービス

ネットワークに分散されている多様な資源を統一的に管理するための機能です。それを管理するサーバをディレクトリサーバといいます。
　この「多様な資源」には、次のようなものがあります。

• 基本的な項目では、社員などのユーザＩＤ、所属部署、電話番号、メールアドレスなどを統一的に管理しており、名前だけで電話をかけたりメールを送ったりできます。また、これにセキュリティ関連情報を加えておけば、利用者の権限確認をして、データやアプリケーションの利用を制御できます。
• 接続しているファイルサーバ、アプリケーションサーバ、プリントサーバなどの機器とそれらに入っているデータやアプリケーションの対応表（ディレクトリ）を持ち、利用者は、データ名やアプリケーションを指定するだけで、それを持つハードウェアを知る必要がなく利用できます（ＤＮＳもディレクトリサービスの一つだといえます）。

このような機能なので、Ｗｅｂサーバやメールサーバとは異なり、主に社内用（社員が社外からインターネットで利用することも含む）として運営されますが、クラウド環境でのディレクトリサービスもあります。

ＬＤＡＰ（Lightweight Directory Access Protocol）

ＬＤＡＰは、ディレクトリサービス接続のプロトコルです。ＬＤＡＰによるディレクトリサーバをＬＤＡＰサーバといいます。
　利用者がＬＤＡＰサーバにユーザＩＤでアクセスすると、ＬＤＡＰサーバはパスワードなどで権限を確認して、権限のあるデータやアプリケーションの利用を認めます。
　ＬＤＡＰを利用したシステムでは、本人認証をユーザＩＤ＋パスワード方式だけでなくバイオメトリクスやワンタイムパスワードの方式を組み込むことが容易だという特徴もあります。

ＬＤＡＰは、次のような特徴をもっています。
　・情報を木構造の分散型データベースとして管理しており、高速である。
　・主にテキストベースの情報を扱う。
　・ＯＳとの連携が多い。

主なＬＤＡＰには、OpenLDAP（OSS）やActive Directory（Microsoft）があります。