目盛り

機能の説明

例えば、グラフを描画するとき、２、５、１０といったキリの良い点で軸の目盛りや補助線の位置を決めたくなります。ここでは、最小値(xmin)と最大値(xmax)、および、キザミの個数の最小値(nmin)と最大値(nmax)を与えると、
　　　for (i=imin; i<=imax; i=i+di) {
　　　　　目盛りや補助線の作成
　　　}
とすればよい　imin, imax, di が得られる処理について説明します。

例えば次のように、imin, imax, di は末尾が０、２、５になっており、imin≦xmin, xmax≦imaxになります。
　　　　　　　　　　　　入　　力　　　　　　→　　　　出　　力
　　　　　　　xmin　　xmax　　nmin　　nmax　　　imin　　imax　　di　　（ｎ)
　　ケース０　50101 　50203　　5　　　 11　　　 50100 　50210 　10　　　10
　　ケース１　0.011 　0.031　　5　　　 11　　　 0.010 　0.032 　0.002 　10

トレース

アルゴリズム

xdef(差)＝xmin-xmax(=102, 0.0205) に着目します。
差の桁が多様ですので、小数点以上が２桁(yy.zzz：10.2, 20.5）になるように正規化します。
Math.log(xdef)/Math.LN10 で１０の対数が得られます。
102 = 10.2*10¹, 0.0205 = 20.5*10^-3 の１、－３の指数は、
Math.log(xdef)/Math.LN10 で１０の対数が得られるので、２桁にして整数にするために、
指数 = Math.floor(Math.log(xdef)/Math.LN10 -1) とします。
差の整数部分（yy：10, 20)（ここでは正規数といいます）を取り出すには、
除数 = 10^指数（10, 0.001）として、正規数 = Math.floor(xdef / 除数)　とします。
この正規数が、nmin～nmaxの間にあれば、n(きざみ数) = 正規数とすればよいのですが、そうでないときは、
正規数をキリのよい、２、５、１０、２０で割り、nmin～nmaxの間にあるものを求めます。
もし、２で割ったときにその範囲になるのが１０ならば、それがｎ(キザミ数)になります。
求めるものはｎではなくdiです。di = xdef/n ですが、diはキリの良い値でなければなりません。
ケース０のように、小数点以上が大きい場合は、di = Math.round(xdef/n/除数)*除数 (10の倍数になる）→10、
ケース１のように、小数点以下の場合は、di = (xdef/n).toFixed(-指数) 　　= 0.0205/10 の小数点以下３桁で丸める→0.002 とまります。
そのため、ｎは正確ではなく、場合によってはnmin～nmaxを逸脱することもありましょうが、無視することにしました。
imin = Math.floor(xmin/di)*di. imax = Math.ceil(xmax/di)*di で得られます。

プログラム

以下は、xmin, xmax, nmin, nmaxを与えてimin, imax, diを求める関数 memori のソースコードです。解が配列で得られます。

function memori(xmin, xmax, nmin, nmax) {
    var 戻り値 = [];
    var xdef = xmax - xmin;
    var 指数 = Math.floor(Math.log(xdef)/Math.LN10 -1);
    var 除数 = Math.pow(10, 指数);
    var 正規数 = Math.floor(xdef / 除数);
    if ( (正規数 >= nmin) && (正規数 <= nmax) )  var n = 正規数;
    else if ( (正規数/2 >= nmin) && (正規数/2 <= nmax) ) n = Math.round(正規数/2);
    else if ( (正規数/5 >= nmin) && (正規数/5 <= nmax) ) n = Math.round(正規数/5);
    else if ( (正規数/10>= nmin) && (正規数/10<= nmax) ) n = Math.round(正規数/10);
    else if ( (正規数/20>= nmin) && (正規数/20<= nmax) ) n = Math.round(正規数/20);
    else alert("適切なキザミ幅が見つかりませんでした。nmin, namaxの幅を広げてください");
    if (xdef >= 1) var di = Math.round(xdef/n/除数)*除数;
    else di =  (xdef/n).toFixed(-指数);
    戻り値[0] = Math.floor(xmin/di)*di;
    戻り値[1] = Math.ceil(xmax/di)*di;
    戻り値[2] = di;
    return 戻り値;
}
呼出側
    解 = memori(xmin, xmax, nmin, nmax);
    // 解[0] にimin, 解[1] にimax, 解[2] にdi が戻される

実験

上記のプログラムの実験です。