Web教材一覧法規・基準

消費者基本法

キーワード

消費者基本法、消費者の権利の尊重、消費者の自立の支援


消費者基本法の理念

昭和39年代の高度成長にともない消費者問題が顕在化しました。これに対応して、割賦販売法や景品表示法など、消費者保護のための個別の法律が制定されましたが、総合的な消費者保護施策が必要とされ、消費者保護基本法が昭和43年(1968年)に制定されました。
 その後、インターネットなど消費者を取り巻く環境が大きく変化しました。今日の環境において、消費者が安全で安心できる消費生活を送ることができる環境を整備するため、平成16年(2004年)に消費者保護基本法を改正して、消費者基本法が制定されました。
→条文: http://www.consumer.go.jp/kankeihourei/kihon/20040602-kihon.html

消費者基本法は、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立の支援」を消費者政策の基本理念としています。

第1条(目的)
この法律は、
消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、
消費者の利益の擁護及び増進に関し、
 消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、
 国、地方公共団体及び事業者の責務等を明らかにするとともに、
 その施策の基本となる事項を定めることにより、
消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進を図り、
もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

事業者の責務

消費者は商品や取引に関する情報をあまりもっていませんし、交渉力でも事業者のほうが優位にあります。そのようなハンディがあるのでは、消費者の権利を確保することは困難です。それで、消費者基本法は事業者の責務として以下のことを定めています。

消費者の自立

消費者が権利の主体であるということは、消費者が果たすべき役割も求められます。

関連する制度

団体訴権制度
消費者一人の力は弱いので、事業者を相手に裁判を起こしても不利な状況になります。それで、一定の条件を満たす消費者団体が、個々の消費者に代わって訴訟ができるよう制度が検討されています。
公益通報者保護法
2004年に制定されました。事業者の不正を暴き、社会的利益のために内部告発を行った人を保護するための法律です。内部告発者が解雇や減給その他不利益な取り扱いを受けたとき、その決定は無効になります。
→条文: http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO078.html

本シリーズの目次へ