Web教材一覧法規・基準

情報技術セキュリティ評価基準(CC)
ISO/IEC 15408(JIS X 5070)

キーワード

情報技術セキュリティ評価基準、CC、ISO/IEC 15408、JIS X 5070、セキュリティ要求仕様書、基本設計仕様書、セキュリティ機能要件、 セキュリティ保証要件、評価保証レベル、CEM、JISEC


情報技術セキュリティ評価基準(CC)ISO/IEC 15408(JIS X 5070)

CC (Common Criteria) とは、情報技術セキュリティの観点から、情報技術に関連した製品及びシステムが適切に設計され、その設計が正しく実装されていることを評価するための国際標準で、それを規格化して、ISO/IEC 15408(JIS X 5070)(セキュリティ技術 - 情報技術セキュリティの評価基準)になりました。
 従来、各国政府はIT調達基準を定めていましたが、それが民間へ適用拡大するようになり、国際間での供給・調達を円滑にするために国際規格化したものです。
 日本では、政府調達に参加するには、下記のST(基本設計仕様書)の提出が必要とされています。

適用範囲

一般的には(スマートカード(ハードウェア)やOS(ソフトウェア)など、ITシステムの構成要素が対象になります。例えば、次のような分野は別の規格があり、ここでの対象外です。
 品質一般:ISO 9001(品質マネジメントシステム-要求事項)
 セキュリティマネジメント;ISO/IEC 27001/2 (ISMS)
 暗号モジュールのセキュリティ要件仕様:FIPS 140. JCMVP

CCの構成

「機器〇〇は、△△のセキュリティ機能ももたなければならない」というような内容ではなく、発注者とベンダが、セキュリティの着眼点やその標準的対応などを共有し、誤解を生じない手段として用いることを目的としています。

発注者は、セキュリティ機能要件とセキュリティ保証要件を組み合わせてPP(セキュリティ要求仕様書)を作成、ベンダはPPを受けて、セキュリティ保証要件を参照してST(基本設計仕様書)を作成します。

発注者は、TOEと実現すべきセキュリティ機能要件を具体的に記述します。
、例えば、セキュリティ機能要件のFAU(セキュリティ監査)のSTG.1.1 では、「FAU_STG.1.1 TSFは、格納された監査記録を不正な削除から保護しなければならない。」となっています(TSFよはTOEのセキュリティ機能)。
 これをそのまま使うのであれば、「FAU_STG.1.1適用」とするだけでよいし、変更が必要なときは変更部分を記述すればよいし、その修正の記述方法も示されています。

認定制度

CCに基づくIT製品やシステムの実装でのセキュリティの評価・認証制度があります。
 評価手法の統一基準をCEM (Common Evaluation Methodology : 共通評価方法) といいます。これも規格化され ISO/IEC 18045 になりました。正式名称はCMIT(Common Methodology for Information Technology)といいます。すなわち、CC適合性評価制度での評価基準がCEMになります。
 日本での認証機関はIPAのJISECです。