外為法の条文( http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24HO228.html)
この法律の目的をさらに分解すると次の3項目になります。
冷戦時代には共産圏国への軍事転用技術の輸出が厳しく規制されていました。コンピュータ技術もそれに該当し、ハードウェアだけでなくOSなどのソフトウェアも対象になっていました。現在ではこの規制はなくなりましたが、一部の国には軍事転用できる機器やソフトウェアの輸出が規制されています。
外為法48条の対象は具体的には輸出貿易管理令で指定されており、高度な情報技術も輸出規制されています。
近年重視されているのが暗号技術関連のソフトウェアです。インターネットを介した攻撃は、一国の安全保障や経済を麻痺させる兵器の段階になっています。その脅威を防ぐ基本技術が暗号技術であり、潜在的に敵対する組織に暗号解読技術が漏洩することは深刻な状況を招きます。
現在、全世界的に最も普及している民生用の公開暗号鍵方式は、米国内では米商務省の産業安全保障局が輸出管理しており、暗号技術の輸出の許可制をとっています。国際的な軍事品目輸出に関するワッセナー・アレンジメントの加盟国でも同様の規制が課されています。日本も加盟しており、外為法48条により経済産業大臣の許可が必要になっています。
輸出貿易管理令の条文( http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24SE378.html)
国際的な平和・安全の維持または国際収支の均衡の維持と外国貿易,国民経済の健全な発展の見地から,特定の地域を仕向地とする特定の貨物などの輸出の許可制または承認制を定める政令です。
基本的な事項は外為法で定められていますが、実際の規制品目や輸出申請方法などに関しては、この政令で定められています。
本政令では、輸出者が自らの責任と判断において輸出貿易管理を行うこと、すなわち、輸出コンプライアンスを求めています。