オープンデータ基本指針(2017年)官民データ活用推進戦略会議決定
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou10.pdf
「官民データ活用推進基本法」(2016年)を受けて、オープンデータ・バイ・デザインのの考えに基づき、今後、国、地方公共団体、事業者が公共データの公開及び活用に取り組む上での基本指針をまとめたものです。
(オープンデータ・バイ・デザインとは、データの設計段階からさまざまな配慮をし整備しておくことです。データ設計に共通語彙基盤などを参照したデータ設計を行うなど開発面の配慮と,データの収集時の同意書をオープンデータを前提とした規約にしておく等のルール面の配慮が必要です。)
- オープンデータの定義
- 国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるように、営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用され、機械判読が容易な形式で、無償で提供できるものとしています。
- オープンデータに関する基本的ルール
- 行政保有データは原則オープンデータとして公開する。
- 各府省庁のWebサイトでの公開データは、原則、「政府標準利用規約」を適用し、二次利用を積極的に促進する。
- 一括ダウンロード、APIを通じた提供をする。データの概要及び形式等のメタ情報をクリエイティブ・コモンズで定められている「CC0 1.0 全世界」として取り扱い、政府のデータカタログサイト「DATA.GO.JP」に登録し公開する。
- 公開データの形式等は、「5つ星」の指標を参考に機械判読に適した構造及びデータ形式で掲載する。
- オープンデータ・バイ・デザイン
- 各府省庁は、オープンデータ・バイ・デザインの考えに基づき、行政保有データを利用者が活用しやすい形で公開するために行政手続き及び情報システムの企画・設計段階から必要な措置を講じる。
- 推進組織等
- IT総合戦略室に総合的な相談窓口、各府省庁にも相談窓口を設置する。
- 推進体制は、IT総合戦略室が政府CIOの下、各府省と協力して総合的に推進する。
関連事項
推進体制
- オープンデータ流通推進コンソーシアム
この動きに呼応して、2012年に産官学共同でオープンデータ流通環境の実現に向けた基盤整備を推進することを目的として設立されました。オープンデータ推進に必要な技術標準やライセンスのあり方等の検討や、オープンデータ推進の普及啓発活動を行っています。
- 電子行政オープンデータ実務者会議
各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議の下に実務者会議を設置。各府省ホームページの利用ルールの見直しに係る検討を進め、新たな利用ルールのひな形である「政府標準利用規約(第1.0版)」(2014年)を策定。これにより、各府省のホームページに掲載されているコンテンツは基本的に自由な編集・加工等が可能になりました。
データ公開
- 総務省統計局/(独)統計センター
従来から、国勢調査、経済センサス、労働力調査、小売物価統計調査(CPI)、家計調査などのデータを公開してきましたが、2013年からAPI機能により、大量・多様な統計データをプログラムから簡単に二次加工できる環境の提供を開始しています。
- 内閣官房「DATA.GO.JP」
データカタログサイトです。①府省が公開しているデータを横断検索でき、検索結果からそのデータに関する説明(メタデータ)を確認でき、府省の公開URLからダウンロードできる機能、②データの利活用の参考にできるよう、政府の方針・決定、公共データ活用事例、府省の個別データベースサイト等へのリンク、③利用者から掲載中のデータのデータ形式や未掲載のデータの掲載等に関する意見を受け付ける機能が設けられています。
- 総務省「情報通信白書」データの多角的提供
情報通信白書で扱っている統計数値データはデジタル化するとともに、表・グラフでも提供し、二次加工のために、Excel形式やCSV形式で提供しています。
また、行政刊行物が原則として著作権フリーですが、著作権が発生する箇所については、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用し、複製・改変・頒布・公衆送信等のあらゆる二次利用(商業利用を含む)を原則可能としました。
用語
- 政府標準利用規約
政府機関のWebサイトで公開されているデータの二次利用を促進する観点から、統一的なひな形として示された各府省庁ウェブサイトの利用に関するルール。
「二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)」の別添1「政府標準利用
規約(第 2.0 版)」
- CC0 1.0 全世界
CC0(Creative Commons 0) とは、著作権保護コンテンツの作者・所有者が、パブリック・ドメインとしたときの利用規約。ソフトウェアでのOSSに似ている。「CC0 1.0 全世界」は、その作品について世界全地域において著作権法上認められる最大限の範囲で放棄するパブリック・ドメインとすること。
- 5つ星
Tim Berners-Lee が提唱したオープンデータ段階
1 オープンライセンスでWeb上に公開
2 データを構造化データとして公開(図表よりExcel)
3 非独占の形式(ExcelよりCSV形式)
4 物事を示すのにURLを使う
5 他のデータへリンク