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電気通信事業法

キーワード

電気通信事業者、検閲の禁止、秘密の保護、利用の公平


電気通信事業法( http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S59/S59HO086.html)の目的は次の通りです。

この法律は,電気通信事業の公共性にかんがみ,その運営を適正かつ合理的なものとするとともに,その公正な競争を促進することにより,電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し,もつて電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り,公共の福祉を増進することを目的とする。

電気通信事業者とは、電話やインターネットなど電気通信サービスを提供する会社の総称です。NTTやKDDIのように通信網をもっている事業者もあるし、多数のインターネットプロバイダのように、他社の通信網を利用してサービスを行う事業者もあります。

(検閲の禁止)第三条
電気通信事業者の取扱中に係る通信は,検閲してはならない。
(秘密の保護)第四条
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は,侵してはならない。
(利用の公平)第六条
電気通信事業者は,電気通信役務の提供について,不当な差別的取扱いをしてはならない。

なお、社員が企業のパソコンやネットワークを用いて社外のネットワークを通して,業務以外のWebページを閲覧したり,機密情報を漏洩することが問題になっています。それを検閲することは上記の原則に反しますが,就業規則にも反することなので,明確な規程を策定して周知すれば,特定の権限者が検閲することは違法ではないとされています。


(注)電気通信関連の事業者区分

電気通信事業者以外は、法律で定義だれたものではなく、総務省による用語です。

電気通信事業者
キャリアともいいます。電気通信事業法での電気通信役務(電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供すること)を行う事業者です。一般に固定電話や携帯電話等の電気通信サービスを提供する会社の総称です。
移動体通信事業者
MNO(Mobile Network Operator)ともいいます。これもキャリアということがあります。「移動通信サービスを提供する電気通信事業を営む者であって、当該移動通信サービスに係る無線局を自ら開設又は運用している者」です。
MNOは、回線網や多数の無線局(アンテナ)やを自前で設置する必要があるので、豊富な資金がないと参入できません。ドコモ、ソフトバンク、KDDIなどがこれに相当します。
仮想移動体通信事業者
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)ともいいます。MNOからネットワーク設備を借り受けて、自分のブランドでサービスを提供する者です。
MNOからみれば、設備の稼働率を高められる利点があります。MVNOとしては、自前で設備を持つ必要がないことから参入しやすい利点があり、差別化を図るために独自のサービスを提供できる利点があります。
MNOがMVNOとして関連企業を設立したものや独立系のMVNOがあります。
仮想移動体通信サービス提供者
MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)ともいいます。「MVNOとの契約に基づき当該MVNOの事業の構築を支援する事業を営む者」です。課金システムの構築・運用、MNOとの借り入れ交渉などが主な事業です。

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