【原理原則1】 ユーザとベンダの想いは相反する

【基本的な考え方】
 ITシステムの企画・開発の現場では、ユーザ企業とベンダ企業の相反する想いがあります。例えば、ユーザ企業は、要件はできるだけじっくり詰めたいし、予算は早期の投資判断を求められるので最終費用を早く確定して欲しいとの想いがあります。他方のベンダ企業の想いはまったくその逆です。これがお互いにとってそもそもの不幸の始まりとなります。
 「発注内容が固まらないうちに開発作業が開始される」といったことや、その結果としての「赤字案件の発生」といった問題もここに起因しています。
 さらに、発注側業務部門も、システム開発のプロセス、システム開発に必要な情報、例えば、プログラムの作成や変更には、コスト・期間・工数が掛かること、品質確保にも時間と労力が必要なことを知らなくてはなりません。
 開発規模(工数)に見合った、最低限の工期を確保できなければ顧客満足を満たす開発はできません。受注者には開発規模に見合った工期を主張することが求められます。
【行動規範】
・発注者・受注者は、お互いの責任、義務、想いを知る。
・発注者は、受注社の役割分担を明確にし、プロジェクトに積極に参画する。
・発注側業務部門も、「システム開発」を理解する。