Web教材一覧情報倫理・セキュリティ

ルート認証局とブリッジ認証局

キーワード

認証局、ルート認証局、ブリッジ認証局


認証局の認証

実社会では、発信者の本人認証手段として、実印の押印や印鑑証明があります。電子署名の場合は、認証局から証明書(デジタル証明書)が発行され、Webページやメールに添付されます。その証明書が印鑑証明に相当します。

認証局に署名を登録するには費用がかかります。大勢の社員がそれぞれ電子署名が必要な場合は、自社で認証局を設置することがあります。
 認証局を設置するのは原則自由です。行政の認可や届出などは必要とせず、認証局(認証サーバ)を設置して、証明書を発行できます。認証サーバの設置・運営をするシステムも提供されています。

CP(Certificate Policy:証明書ポリシー)

デジタル証明書の信頼性を高めるために、認証局が証明書を発行するときのポリシーを定めるものです。認証局が自認証業務について、「適用範囲」「セキュリティの基準」「審査の基準」などを示したものです。
 法的な規則ではなく、保健医療福祉分野など業界が自主的に定めることが多いようです。

認証局の認証

信用の低い認証局が発行した証明書では、受信者が信用しないでしょう。あるいは、悪意をもって設置した認証局があるかもしれません。
 認証局の信頼を高めるために、他の認証局から認証を受ける仕組みがあります。認証局間は階層化されており、上位の認証局の認証を得る(上位の認証局が下位の認証局が信用できることを保証する)ようになっています。受信者がある認証局の信用を知りたいときは、順に上位の認証局を調べていき、受信者が信用している上位の認定局が存在すれば、当該認証局も信用できるだろうという考え方です。

最上位の認証局をルート認証局といいます。ルート認証局は、それを審査する組織があり厳しい審査を受けていること、ルート認証局に認証業務運用規程の公開義務があるなどにより、デジタル証明書以外の方法で信用を確保しています。

なお、認証局には民間の認証局と地方公共団体の認証局があります。その間の認証をする認証局をブリッジ認証局といいます。

不正デジタル証明書

大手の認証局Aが攻撃されて、WebサイトBに関する不正証明書が発行される事件がありました。その不正証明書により利用者がBと通信すると、その通信に割込み、不正行為をする危険性があります。
 これを防ぐには、認証局が暗号アルゴリズムの強化や運用上の対策が必要ですが、ここでは利用者側の対策を考えます。現実には難しいのですが、ここまでの知識を高める目的で掲げます。
 Bの証明書が、Aで認証されたものならば、ブラウザの機能により認証局Aを「信用できる認証局」から外すと、認証されていない旨のエラーメッセージが表示されます。この場合は即座に通信を中止します。


本シリーズの目次へ