Web教材一覧セキュリティ

フェイクニュース


フェイクニュースとは

フェイクニュースとは、偽ニュース、デマニュースとも呼ばれ、事実ではない、虚偽内容の情報・報道の総称です。
 フェイクニュースは、以前からマスコミや噂話の口コミなどで発生していました。しかしマスコミでは自主規制があるし発信者が特定されるのでフェイクニュースの発生は少ないでしょう。口コミでは拡散の範囲が狭く伝達時間が長いので、フェイクニュースによる被害は限定的です。

それがSNSなどのソーシャルメディアが発達した現代では、不特定多数から、全くチェックを受けない情報(フェイクニュースもある)が発信され、シェアされることにより、爆発的に流布されるようになりました。
 しかも、クリック数などに応じて報酬が支払われる(アフィリエイト広告)ことを目的に、検索エンジンで注目を引くような扇情的な内容の情報をでっちあげる傾向が進みました。なかには、自サイトでのクリック数を上げるために、記者を集めて組織的にフェイクニュースを大量発信する組織も出現しました。

SNSでフェイクニュースをシェアしたり、その記事を知人などに知らせるメールが、現代的口コミになっています。爆発的に流布するだけでなく、信頼している友人からの知らせだとして、フェイクニュースではなく事実のニュースだとして受け入れられることが多くなりました。

ポスト真実

ある女性が知人に「〇〇銀行が倒産する」という事実無根のメールを出し、それがチェーンメールで噂が広がり、取り付け騒ぎになったことがあります。この女性は、〇〇銀行への悪意はなかったようですが、特定の組織に打撃を与える目的で、フェイクニュースを使う危険性があります。
 フェイクニュースは政治的意図にも利用されます。2016年には、イギリスのEC離脱問題やアメリカ大統領選挙にフェイクニュースがかなりの影響を与えたといわれます。

フェイクニュースが広まると、それが「事実」ではなくても「真実」だと思われるようになります。「火のない所に煙は立たぬ」のだから「それに近い事実があるのだろう」と思う人もいるでしょう。また、そのような真実こそ事実なのだ(alternative facts)と喧伝する勢力もありましょう。
 その結果、フェイクニュースが「事実」だと多くの人が信じてしまうことがあります。このような風潮をポスト真実(post-truth)といいます。

ポピュリズム(populism、大衆迎合主義)とは、一般大衆に受け入れやすい目先の願望に迎合した政治思想です。それ自体は一つの思想であり否定できませんが、ときとして既存体制を批判する手段が極端になり、alternative factsを主張することがあります。そのため、既存体制の代表的存在であるマスコミの批判をします。
 一般に人間は、自分に心地よい情報に接したがり、そうでない情報を避けたがる傾向があります。この性向と極端な迎合主義が合致すると、「マスコミは信用できないので読まない。真実を伝える迎合主義陣営が運営するSNSだけを見る」となり、alternative factsこそが唯一の真実だとなる危険性が発生します。

ファクトチェック

フェイクニュースも言論であり、言論の自由は尊重されべきでから、フェイクニュースの発生自体を防ぐのは困難です。そのため、ある情報がフェイクニュースだと見抜くことが大切になります。
 それには、各読者が冷静に考え適切な判断ができる能力をもつことが基本ですが、SNSなどの提供組織がしかるべき対策を講じる必要があります。それをファクトチェック(fact-check)といいます。

例えば、フェイスブックは、米大統領選挙において、多くのフェイクニュースが投稿されたのに、適切な対策を取らなかったと非難されました。それに応じて、フェイスブックはフェイクニュースと思われる元の記事の下に、第三者機関による事実確認の記事も並べて表示するようにしました。  フランスでは、仏大統領選挙に際して、多くの報道機関が協力し、フェイクニュースを検証する「クロスチェック」というサイトを発足させました。フェイクニュースの疑いがある記事の検証内容とともに、ファクトチェックに関わった報道機関名が表示されます。
 日本では、ニュースアプリ「スマートニュース」の運営会社などの関係者や、大学の研究者らが連携し「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」を立ち上げました。
 このような対策が各国で急速に行われています。