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定量発注方式

学習のポイント

代表的な発注方式に定量発注方式があります。そこで重要な発注点の計算式を求めます。また,この方式をさらに簡素化した簡易在庫管理方式を理解します。

キーワード

定量発注方式,簡易在庫管理方式(カムアップ方式),2ビン方式


定量発注方式

在庫は出荷により減少していきます。在庫があるレベル(それを発注点といいます)に達したときに発注する方式を発注点方式といいます。この発注方式では発注量を一定にするのが通常ですので,定量発注方式ともいいます。

発注点在庫量は次の式で求められます(「安全在庫量」参照)。

   L:発注してから入荷するまでの調達期間[日]
   D:1日の平均出荷量[個/日]
   σ:1日の出荷量の標準偏差[個/日]
   α:品切れ危険度の係数(5%のとき1.65)

   発注点在庫=L日間の平均出荷量  (=D×L)
        +L日間の安全在庫量  (=ασ√

簡易在庫管理方式

定量発注方式において,在庫費用があまりかからないものについては,厳格な発注点を設定する必要はありません。従来からの経験により,調達期間内での出荷量の最大値が想定できる場合には,もっと簡易な管理ができます。

カムアップ方式
下左図のように,在庫をいくつかのロットにわけておきます(印刷用紙のように納入時にロットになっているものは,それをそのまま使います)。もし,調達期間内での出荷の最大量が2箱以下と見込まれるものであれば,最後から2番目の箱に発注票を添付しておき,その箱をを開封するときに,発注票を購入係に渡せばよいのです。このような方式をカムアップ・システムといいます。
2ビン・システム
さらに安価なものについては,2ビン・システムが適切です。下右図のようにロットを2つにしておき双方に発注票を添付しておきます。Aのロットを使い終わりBのロットを開封したときにBの発注票を発行して,入荷されたらそれをAのロットにします。Bが使い終わればAの発注票を発行して,入荷されたらBのロットにします。これを交互に繰り返します。

この発注票のデザインを工夫すれば,発注票を注文先にそのままFAXすればよいし,発注票を購入伝票として用いることができます。この発注票を注文先に作成させて納品させる方法もとれますし,事前にメーカーが作成していることもあります。