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PDM(プレシデンス・ダイアグラム法)

学習のポイント

代表的なスケジュールモデルには、
  作業を矢線で表現する   ADM(アローダイアグラム法)
  作業をボックスで表現する PDM(プレシデンス・ダイアグラム法)
があります。ここでは、アローダイアグラム法の理解の上で、プレシデンス・ダイアグラム法について学習します。

キーワード

PDM、プレシデンス・ダイアグラム法、依存関係


単純な例

アローダイアグラムでは作業を矢線で表しました。左下の作業表は、右下のアローダイアグラムになるのは自明でしょう。クリティカルパスは、①→②→④→⑤、すなわちA・C・Eになります。

   作業名 先行作業 作業時間   
    A   なし   2
    B   なし   1
    C   A    2
    D   A,B  3
    E   C    2

プレシデンス・ダイアグラム法(Precedence Diagramming Method:PDM、precedenceは「優先順位」の意味)では、作業を左下のような形式のボックスにして、先行・後続の関係を矢印で示します。その結果は右下のようになります。

Dの先行作業はAとBです。アローダイアグラムでは、ダミーの作業が必要になりますが、プレシデンス・ダイアグラムでは、ダミーという概念がなくなります。

クリティカルパスは、最早開始時刻=最遅開始時刻の作業群になります。A・C・Eになります。

依存関係

PERTでは、「先行作業Aが終了しなければ、後続作業Bは開始できない」という依存関係だけでした。これをPDMではFSの依存関係といいます(F:Fiish、S:Start)。
 PDMでは、次の4つの依存関係を適用できます。

FS:終了-開始関係:Aが終了したら、Bを開始できる。
最も基本的でよく用いられる関係です。
SS:開始-開始関係:Aが開始したら、Bを開始できる。
同時に開始できる並行処理です。後述のラグを用いて、A開始後1時間後にBを開始するような指定もできます。
FF:終了-終了関係:Aが終了すれば、Bを終了できる。
いいかえれば、Aが終了するまでBを終了できない、Aの終了と同時に終了する関係です。試験の監督と試験のようなケースです。
SF:開始-終了関係:Aが開始すれば、Bを終了できる。
「上映開始になったら、入場窓口を終了する」というようなケースですが、上映が先行作業、窓口が後続作業になり不自然なこともあります。

リードとラグ

PDMでは、連続する2つの作業の間にリードとラグの概念を持ち込むことにより、上の依存関係に「Aが開始して1時間経過したら、Bを開始できる」というような条件をつけることができます。

 ┌──┬──┐      ┌──┬──┐   ┌──┬──┐      ┌──┬──┐
 │ 2 │ 7 │      │ 4 │  │   │ 2 │ 7 │      │ 8 │  │
 ├──┴──┤ FS-3 ├──┴──┤   ├──┴──┤ FS+1 ├──┴──┤
 │ A(5)├─────→┤ B(3)│   │ A(5)├─────→┤ B(3)│
 └─────┘      └─────┘   └─────┘      └─────┘
          リード                    ラグ

リードは先行作業に対して後続作業の開始を前倒しする時間です。
 先行作業の終了が近づいたので。後続作業の準備をしておこうというような場合です。
 先行作業Aの最早終了時刻が7であれば、単なるFS関係ならば、後続作業Bの最早開始時刻は7になります。
 FS-3とは、FS関係に3日間のリードがある(つまり前倒しする)ことを意味しています。すなわち、Bの最早開始時刻は7-3=4になります。

ラグは先行作業に対して後続作業の開始を遅らせる時間です。
 後続作業場所への移動時間がかかるようなケースです。
 FS+1とは、1日間のラグがある(つまり遅らせる)ことを意味しています。すなわち、Bの最早開始時刻は7+1=8になります。

依存関係の例

「基本情報技術者試験、平成31年午前、問52」より