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遠隔処理

キーワード

遠隔処理、遠隔操作、リモートバッチ、リモートジョブエントリ、RJE、遠隔アクセス、遠隔手続き呼び出しRPC、リモートデスクトップ、リモートコントロールソフト、セキュアブラウザ


歴史的な遠隔処理

リモートバッチ処理(Remote Batch)
初期のコンピュータ時代から用いられた方式です。通信回線を利用して、処理するデータを遠隔地からコンピュータに送ると、コンピュータは定期的に未実行ジョブを一括してバッチ処理します。処理を実行している間は接続している必要はありません。
リモートジョブエントリ(Remote Job Entry、RJE)
リモートバッチ処理とほぼ同義語ですが、より高度な使い方をRJEとして区別することがあります。よく用いられるジョブをファイルに登録しておき、通信によりそれを起動する方式です。通常はバッチ処理を指しました。

LAN・インターネット環境での遠隔処理

遠隔アクセス(Remote Access)
リモートアクセスとは、外出先から自宅や会社などのネットワークやコンピュータを利用するように、離れた場所にあるネットワークやコンピュータに外部から接続し、処理を行うことの総称です。
遠隔手続き呼び出し(Remote Procedure Call, RPC)
ネットワークによって接続された他のコンピュータ上のプログラムを呼び出し、実行させるための手法、あるいは、そのためのプロトコルです。
プログラムの実行に用いられるサブルーチンの呼び出し(プロシージャコール)をネットワークを通じたマシンに対して行うことによって、遠隔地のマシンに処理を行わせ、その処理結果を受け取る仕組みです。RJEと似ていますが、RJEはバッチ処理が通常で、結果の受け取りは郵送のこともあります。それに対して、RPCは全体をオンライン環境で行うのが通常です。
RPCは、クライアントサーバシステムや分散処理技術の普及とともに使われるようになりました。
リモートデスクトップ(Remote Desktop)
コンピューター同士をネットワークで接続して、離れた場所にあるコンピュータを、手元のコンピュータに移したような機能です。例えば、テレワークで自宅のパソコンからオフィスのパソコンにアクセスして、オフィスのパソコンに保存されているデータを編集したり、インストールされているアプリケーションを利用したりすることです。スマートフォンでもアプリケーションを使えばリモートデスクトップ接続ができます。
リモートコントロールソフト
リモートデスクトップを実現するためのソフトウェアです。よく用いられるのはヘルプデスク用のソフトウェアです。質問者は回答者から指示されたパスワードを入力して、リモートデスクトップの環境を作ります。回答者は質問者のパソコンを遠隔操作しますが、両者が同じ画面を見る状態になっているので、質問者は回答者の操作を逐一見ることができます。

リモートアクセスの仕組み

第三者に自分のコンピュータを勝手に操作されたら困ります。リモートアクセスを行うには、セキュリティ対策が重要です。

VPN方式
VPN(Virtual Private Network)とは、通常のインターネットのなかに、仮想的に外部からアクセスできないネットワークを設定したものです。リモートアクセスでは一時的にVRNを設定する方法が採られます。
画面転送方式
両側のパソコンをVPN接続し、リモートコントロールソフトを用いる方法です。このときの処理内容は一切記録されないので、後日、紛失や盗難にあった場合でも、情報漏洩のリスクがありません。
セキュアブラウザ方式
セキュアブラウザとは、セキュリティ機能に特化したブラウザです。
  不正アクセス(フィルタリング機能)アクセスできるファイルなどの制限
  情報漏洩(データ保存禁止機能)クライアントに結果が残らない
などの機能があります。
 サーバ側が、このブラウザしか受け付けないように設定しておけば、クライアント側のパソコンは限定されません。
API方式
アプリケーションへのアクセスは、APIを通してのみ実行され、APIが動的に生成した画面が表示されます。ネットワークへ負荷をかけずに、高い操作性と利便性を保てることが特徴ですが、個々のアプリケーションや利用者に特化したAPIを作成しなければなりません。