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数値解析
(BOK大区分:1 基礎理論、中区分:2 アルゴリズムとプログラミング、中区分:2 アルゴリズム)
数値解析、定積分、台形則、シンプソン則
定積分を求める代表的な方法である台形則とシンプソン則を説明します。
左図の青色の部分の面積を求めるには、図のような長方形で近似するのが最も簡単です。
閉区間[a,b]をn等分して、x0(=a),x1,x2,....,xn(=b)の点とします。その幅(微小区間)hは、h=(b-a)/nになります。
yi=f(xi)とすれば、その長方形の面積ΔSiは、ΔSi=yihですから、求める積分の値Sは、
b-a
S=∑yih=───(y0+y1+y2+....+yn-1)
n
となります。
しかしこれでは、あまりよい近似にはならないのは明らかです。それで、曲線y=f(x)を微小区間で一次式(台形則)や二次式(シンプソン則)で近似するのです。
台形則では、微小区間を右図の青色の部分のように台形にします。
このとき、ΔSiは、
ΔSi=(h/2)×(yi-1+yi)
となります。
両端を考慮すれば、定積分Sは、
b-a y0+yn
S=───(────+y1+y2+....+yn-1)
n 2
となります。
長方形近似と比較すると、長方形近似ではy0をそのまま加え、ynを無視しているのに対して、台形則では、その2つの平均をとっています。それだけの違いだということになります。
シンプソン則は、上右図のA、B、C点を2次式で近似します。
中間の説明は省略しますが、ここでは閉区間[a,b]を2n等分して、h=(b-a)/2にすると(すなわち、
、x0(=a),x1,x2,....,x2n(=b)とすると、
b-a
S=───{(y0+y2n)+4(y1+y3+...y2n-1)+2(y2+y4+...y2n-2)}
6n
となります。
たとえば、右図のように、閉区間[1,2]を10等分した(n=10(シンプソン則では2n=10)、h=0.1)xとyの値が与えられているとします。
実は、このデータは、y=x2から算出したものです。
長方形近似→台形則→シンプソン則の順序で近似がよくなっていることがわかります。しかも、データが2次式からとったものなので、シンプソン則では真の値に一致しています。