当初のシステム化対象、基幹業務系システムの目的・特徴
基幹業務系システムは,基幹系システム,業務系システム,全社的システムなどともいいます。販売システム、生産システム、会計システムなどがこれにあたります。企業での最初のシステム化対象でした (理由)。
コンピュータが本格的に企業に導入された1960年代に最初に構築された情報システムは,基幹業務系システムでした。コンピュータの特徴として、次のことがあげられます。
・正確に迅速な処理ができる。
・しかし、プログラムを作成する必要がある。
・当時のコンピュータは、プログラム開発環境が劣っていた。
そのため、次のような業務分野が適しています。
・大量なデータを画一的に処理すること
・その処理が比較的単純(ロジックが明確)であること
・処理を行う頻度が大きいこと
それで、売上計算、給与計算、会計計算などが選ばれたのです。これらの業務の多くは、売上請求書の発行や決算での財務報告書作成など、公的な帳票作成につながっています。
従来は,基幹業務系システムで提供する帳票類が不十分だったので,それをカバーするために,個々の帳票となる基のデータをファイルにしておき,それを任意に検索加工させようとしたのです。すなわち,情報検索系システムは基幹業務系システムの補足的な位置付けとされていました。ところが,最近では業務改善や改革のために利用することが多くなり,情報検索系システムのほうが情報システムの中心になってきました。そうなると,基幹業務系システムは情報検索系システムに正確なデータを提供するシステムだという認識が出てきました。両者の位置づけが変化してきたといえましょう。
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