ORiN(Open Resource interface for the Network)とは,ロボットを始めとする工場内の各種装置に対して, メーカーや機種の違いを超え,統一的なアクセス手段と表現方法を提供する通信インターフェースです。ミドルウェアの位置づけになります。
日本ロボット工業会が2002年に提唱し、その後はORiN協議会によって維持・管理されています。その後ver.2であるORiN2になりました。
ORiN2は,CAO/CRD/CAPの3つの基本技術から構成されます。
CAO(Controller Access Object)
CAOは、クライアントアプリケーション(エンベッデッドシステムのソフトウェア)とCAOプロバイダ(ロボットなどの個別機器の制御システム)をつなぎ、個々の仕様の違いを吸収する機能です。その中核となるのがCAOエンジンです。
CRD(Controller Resource Definition)
CRDは、各機器(その制御システム)が持つ各種データを、メーカ非依存のフォーマットを表現するための「標準データスキーマ」です。XMLで記述され、そのファイルをCRDファイルといいます。
CAP(Controller Access Protocol)
インターネット経由で通信するための通信プロトコルです。一般の分散データベースアクセスの通信プロトコルにDCOM(Distributed Component Object Model)がありますが、この分野での用途に適したCAPが策定されました。
CAPは、基本的にはXML形式のデータをSOAP(Simple Object Access Protocol)パケットに乗せて通信しています。しかし、用途によっては、別のプロトコルもあります。
- e-CAP:組み込み機器等ではSOAPパケットの処理やXML解釈するためのXMLパーザの機能を実装が面倒な場合があります。e-CAPではXMLを用いず、単純にHTTPのPOSTコマンドでの通信をします。
- b-CAP:基本的にはCAPに従いつつ、通信速度の向上を狙ったプロトコルです。TCPストリーム通信を用いています。