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在庫評価

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在庫評価、先入先出法,後入先出法


在庫評価(先入先出法,後入先出法)

売上原価では,今期売上の原料がすべて今期に仕入れたものではなく,前期からの在庫もあります。今期に仕入れた原料が翌期への在庫となることもあります。
 また,1年の間には仕入価格の変動があります。いつ仕入れた原料を用いたかにより,売上原価も変るし,在庫の棚卸額も変ります。

毎回使うたびにどの時点で仕入れた原料であるかをチェックする方法もありますが,事務量が多くなります。また,液体をタンク保管するような場合では,混合してしまうために物理的に不可能なこともあります。
 それで,全体の総平均値を用いる総平均法を用いることもあります。また、長期のデータを処理するのは面倒なことから、直近の数か月のデータを平均する移動平均法を用いることもあります。

実際に使われる代表的なものに,先入先出法,後入先出法があります。
   先入先出法:先に調達した順に使ったとする
   後入先出法:後に調達したものから使ったとする

 次のような順序で調達されたとします。
   調達    単価[円/個] 数量[個]
   前期繰越     1     5
   仕入1      2     7
   仕入2      3     3
   次期繰越     4

消費量=前期繰越量+今期仕入量-次期繰越量
上の例では,消費量=5+(7+3)-4=11個となります。
先入先出法
      単価 調達量 消費量 在庫量 残り消費量 売上原価[円] 在庫評価額[円]
前期繰越   1  5   5   0   11   1×5= 5 1×0= 0
仕入1    2  7   6   1    0   2×6=12 2×1= 2
仕入2    3  3   0   3    0   3×0= 0 3×3= 9
             11[個] 4[個]          17[円]   11[円]
後入先出法
      単価 調達量 消費量 在庫量 残り消費量 売上原価[円] 在庫評価額[円]
仕入2    3  3   3   0    8   3×3= 9 3×0= 0
仕入1    2  7   7   0    1   2×7=14 2×0= 0
前期繰越   1  5   1   4    0   1×1= 1 1×4= 4
             11[個] 4[個]          24[円]    4[円]