グループウェアは，主に次のような機能に用いられています。このうち，最も広く利用されているのは，電子メールと電子掲示板です（同期と更新）。
これらの機能を同期／非同期，同時更新の有無で区分すると次のようになります。
電子メールや電子掲示板が広く利用されているのは，同時更新を考慮する必要がないのでシステムそのものが簡単（安価）で，非同期（相手がパソコンを開いている必要がない）ので運用が簡単だからだともいえます。また、インターネットで電子メールや電子掲示板（Ｗｅｂページ）が普及しているのも同じ理由です。
- 電子メール
- 用途はインターネットの電子メールと同じですが，便利な機能がいろいろあります。例えば、アドレス帳を全社的に管理することができますので，人事異動があっても「情報システム部長」という肩書きで新部長にメールを送るというような仕組みを組み入れることができます。
- 電子掲示板
- 会議室やフォーラムともいいます。掲示板は誰もが書き込んだり読むことができます。誰かが意見や質問を書き込むと，それを読んだ他の人たちが，それに対して意見や回答などを書き込みます。これにより，当事者はテーマについて相談できますし，関係者はそのやりとりを一覧的に見ることができるので，情報の共有化が進みます。これにも多様な機能があります。個々の掲示板について，誰と誰が呼んだり書いたりできるかのアクセス資格を多様に設定することができます。また，掲示板に掲げられた文書一覧表を，日付別，発信者別，テーマ別など，多様な切り口で表示することもできます。
- スケジュール
- カレンダーともいいます。会合を開くには，グループのメンバの都合を聞く必要がありますが，一人一人に電話をかけて調整するのは大変です。各人が出張や会議などのスケジュールを登録すると，グループに属した人が，そのグループ全員のスケジュールを一覧して見ることができて，全員が在席している時間帯を調べて，会議を召集するために予約を入れることができれば便利です（図示）。
このスケジュール機能に，各人の業務予定や進度を登録することにより，プロジェクトの進行状況を把握したり，工数を計算することもできます。また，この予約機能を，人ではなく，会議室や社有車などに対して行うことにより，会議室予約や社有車予約をすることができます。 - 電子黒板
- 複数のパソコンで同じ画面を見て，そこに書き込むと他のパソコン上の画面も同時に変わるような機能です。離れている場所で共同作業をするのに適しています。
- 電子会議
- 各人のパソコンにカメラをつけることにより，互いの顔や資料を他のパソコンに表示しながら業務を進めることができます。大規模な電子会議では，遠隔地の会議室に映写設備や数台のカメラを置き，互いの会議室の様子を写すことにより，遠隔地間での会議をすることができます。これにより，会議のために出張をする時間やコストを低減することができます。