国内市場規模
組込み関連産業生産額は高成長であり、2009年では約70兆円/年に達しました。これはGDPの13.5%になります。組込み製品は開発費の割合が高いのが特徴で12.3%程度で、製品開発費は8.6兆円/年になります。製品開発費のうち、約50%である4.2兆円/年が組込みソフトウェアの開発費です。そのため、2004年~2009年の組込みソフトウェアの平均成長率は15%に達します(経済産業省「組込みソフトウェア産業実態調査報告書」2009年版より)(図表等)。
世界における日本企業の位置づけ
日本は伝統的に「ものづくり」技術に長けており、小型化、複合化、高品質の技術は日本の特技です。、組込み分野での日本の国際競争力は、高い状況にありました。2004年当時、経済産業省「組込みソフトウェア産業実態調査 2004年版」では次のように報告していました。
組込みシステムでは、マイクロプロセッサの大部分が日本製であり、半数以上の機器で日本製のOS(ITRON)が使われている。その強みにより、さまざまな新機能をもった最先端技術製品を次々と製品化し、日本企業のシェアは高い(例示)。その結果、フォーチュン500社のうち、組込みシステム企業は75社であるが、そのうち25社は日本企業であり、売上シェアも31%を占めている。
組込み製品の国際シェア(2004年当時)
液晶テレビ 70%+
プラズマディスプレイテレビ 80%+
DVDレコーダ 90%+
デジタルスチルカメラ 90%+
デジタル複合機 90%+
レーザプリンタエンジン 90%+
インクジェットプリンタ 50%+
日本経済の成長のためには、この分野での国際競争力の優位性を維持する必要があります。実際、輸出総額のうち、組込み関連製品が過半数を占めています。
ところが、その後、組込み製品の国際シェアは急速に低下してきており、そのため、組込みソフトウェアの日本企業の優位性が低下してきていることが懸念されています(図表)。