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組込みソフトウェアの概要


組込みソフトウェア(Embedded Software)とは、情報家電、携帯端末、自動車などを制御するために組み込まれているマイクロプロセッサ(ECU:Electronic Control Unit、電子制御ユニット)で動作するソフトウェアのことです。従来は、これらの機能は個別のハードウェア(部品機器)で実現していましたが、開発費用の低減のため、機能改善の容易化のために、ソフトウェアにより実現するようになってきました。
 このマイクロプロセッサを組み込んでいる製品を組込み製品といいます。組込み製品は、気づかないところで広く用いられており、ユビキタス社会のインフラになっています(組込み製品の例)

一般家電:炊飯器、エアコン、洗濯機など
 情報家電:テレビ、デジタルカメラ、プリンタなど
 通信機器:携帯電話など
 交通手段:自動車、飛行機、エレベータなど
 交通システム:信号機、カーナビなど
 サービス:自販機、ATMなど
 一般機械・機器:工作機械、ロボット、医療機器など

例えば自動車では、エンジンの制御、ブレーキ制御、エアコンなど多様な機能があり、しかも、安全対策やエコ対策、カーナビやETCなどの普及など、機能が多様化しています。特にハイブリッド車などでは、100個以上のECUが組み込まれており、自動車価格に占める電子機器の割合は50%近くになっています。そして、組込みソフトウェアの大きさは500万~1000万行程度だといわれています。しかも、この規模は急速に増大しています。なお、NECの調査では、製品の開発費に占める組込みソフトウェアの割合は、カーナビで60%、携帯電話で80%、情報家電で50%に達しているそうです(他システムとの比較)

           2008年(万行)  以前
  自動車       500~1000  100(2000年)
  カーナビ      300~500   100(2000年)
  携帯電話      500       100(2001年)
  DVDレコーダ   100        20(2002年)
  金融機関システム 6400       500(1980年代中頃、第3次銀行オンライン)

出典:八尋俊英(経済産業省)「組込みソフトウェア産業の課題と政策展開」2008
   http://imyme.chicappa.jp/ET2008/conference/image/ET2008_S-2.pdf


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