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OLAPと多次元データベース

キーワード

データウェアハウス、OLAP、多次元データベース、スライシング、ダイシング、ドリリング、OLAPツール


OLAP

データウェアハウスのような分析を主体とする利用形態をOLAP(Online Analytical Processing)といいます。 (OLTPとの対比)

OLAPに対して,基幹業務系システムのように大量データをオンライン処理する形態をOLTP(Online Transaction Processing)といいます。

OLTPとOLAPの特徴を比較すると次のようになります。

OLTPOLAP
データの更新頻繁に更新更新なし
処理目的定例的データ処理意思決定の支援
データの内容現時点のデータ時系列データ
処理形態基幹業務系情報検索系
運用目的データの管理データの活用
利用目的多目的目的別

多次元データベース

このような利用では、多次元データベース(MDDB:Multi-Dimensional Database)がよく用いられます。多次元というと難しく聞こえますが、通常のファイルは、本質的に多次元なのです。例えば、年月・商品・支店・個数の項目を持つファイルは、図(1)のように、横軸に年月、縦軸に商品、奥軸に支店をとった3次元の表として表現できます。これに得意先の項目を加えれば4次元になります。

多次元データベースと基本操作 (拡大図)

多次元データベースの基本操作

多次元データベースには、スライシング、ダイシング、ドリリングの3つの基本操作があります。

スライシング
パンやハムをスライスするように,スライシングとは,多次元データベースをある断面で切り取って2次元の表にする操作です。上図では,大阪支店の部分でスライシングして(2)の表にしています。
ダイシング
ダイシングとはサイコロを振ることです。多次元データベースでの操作では,任意の縦軸と横軸を指定して2次元の表にする操作です。たとえば上図の(3)は,(1)を横から見た状態で,縦軸に商品,横軸に支店を指定したものであり,(4)は,上から見た状態,すなわち,縦軸に支店,横軸に月を指定したものです。
ドリリング
ドリリングとは,ドリルで深く掘り進むことです。多次元データベースでは,詳細に展開する操作をドリルダウンといい,逆に集計する操作をドリルアップといいます。上図の(4)で東京支店を指定してドリルダウンを行うと,(5)のように東京支店の店舗別の表ができます。また,(5)を縦軸でドリルアップすると(4)のような集計表になります。

OLAPツール

多次元データベースを操作するソフトウェアをOLAPツールといいます。OLAPツールは、画面での簡単な操作により2次元の断面を表示させたりグラフ化したりできます。また、パソコンにダウンロードして、表計算ソフトのワークシートにして加工することもできます。