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用語定義の重要性

キーワード

業務の誤解、用語の誤解、ホモニム、シノニム


「私の常識は、あなたの非常識」といわれます。発注者が要求したことが、正しく開発者に伝わっていないことが多いのです。それを避けるために要求定義が重要なのですが、互いに気づかずに誤解していることが多いのです。

業務慣習による誤解
利用部門は、自分の常識は他人も常識だと思って、あまりにも当然なことは要求として明示しないことがあります。ところが、IT部門が利用部門の業務を知らないと、それを無視したシステムにしてしまいます。
 例えば、輸入品を購買したとき、その代金支払は、船積した時点、通関した時点、倉庫に搬入した時点のどこで発生するのかなどは、担当者には自明のことだとしても、部外者にはわかりません。
 また、コンピュータに60万円の株を1株と入力すべきところを、60万株を1株1円と誤って入力するようなことがないように、データ入力時点でチェックする機能をシステムに組み入れる必要があります。このとき、どの範囲なら誤りだと判定するのかは、担当者が示さないと、部外者にはわかりません。
日常用語による誤解
例えば「出荷」などは、あまりにも一般用語なので、誰もその定義を問題にしないまま、理解したつもりになりがちです。ところが、ある人は得意先に納品することだけを指しているのに、別な人は、自社の別の倉庫へ転送することも含むと解釈していることもあります。
ホモニムとシノニム
同じ名称なのに異なる意味を持つものをホモニム(同名異義語)といい、同じ意味なのに異なる名称を用いることをシノニム(異名同義語)といいますが、このホモニムとシノニムが誤解の原因になります。前述の「出荷」の意味が人により異なるのはホモニムの例です。シノニムの例では、「得意先」、「顧客」、「出荷先」などが同じ意味なのか、異なる意味なのかを気づかないで、理解したつもりになっていることがあります。

社内のIT部門がシステム開発をしているときは、IT部門もある程度は他部門の業務や用語を理解しているのですが、IT部門が戦略部門になり、細かい事項に関しては、利用部門とアウトソーシング先とが直接に話し合うようになると、誤解が一層多くなります。