チームレビューともいいます。ソフトウェアプロセスの各段階で生成される成果物をチームメンバーがレビューすること。あるいはそのための手法の総称です。
プログラムのチェックが主ですが、上流・下流工程での設計仕様書などのチェックにも広く採用されています。
その形式は多様ですが、代表的なものを掲げます。
インスペクション
事前に定められた手順とチェックリストに従って第三者がレビューを行う、最も形式的なレビュー手法です。
ここで指摘された欠陥や問題点はエラーログとして記録され、プロジェクトマネージャなどに報告されます。
- オーナー(依頼者)
インスペクション対象(プログラムなど)の作成者。インスペクションの依頼者です。
- モデレータ(司会、進行役)
レビューを主導し,参加者にそれぞれの役割を果たさせるようにする役割です。参加者の選出、スケジュールの作成、チェックリストの作成、ミーティングの進行などを行います。
- プレゼンター(読み手)
ミーティングで対象となる資料を他のレビュー参加者に配布し説明する役割です。依頼者とは別人が行います。
- レビューア(チェッカー、インスペクター)
資料や説明を受けて、誤りや改善などの問題検出を行う役割です。解決するまでは求められません。
- スクライブ(記録係)
ミーティングで指摘された欠陥,課題,コメントを記録する役割です。
ラウンドロビン
インスペクションでのモデレータやレビューアなどの役割を、参加者の持ち回りにする方式です。チームメンバーの意思疎通や参加意識の向上を図るのに効果的ですが、役割の専門性を欠くので、それが必要な課題や大規模なレビューには不向きです。
ウォークスルー
ウォークスルーは、レビューを希望する作成者が自ら数人のレビューアを集め、自ら成果物の配布や説明をします。すなわち、インスペクションでのオーナー、モデレータ、プレゼンター、スクライブを同一人が行う形式です。
内容を順に説明する形式をとります。インスペクションと比較して、小規模な小回りのよいレビューになります。
そもそもウォークスルーは、開発環境が未発達な時代に、ソースプログラムを机上デバッグするのに、他者の視点を入れてほうが効果的なことから行われたのですが、現在でもさまざまな成果物の事前点検を目的として行われています。
ピアデスクチェック
もっと小規模な形式で、依頼者とレビューアの2人で行う形式です。交代することもあります。これを定例化して、2人がペアになってプログラムを開発するのをペアプログラミングといいます。
パスアラウンド
一堂に集まるのではなく、対象資料をレビューア間で回覧してチェックする形式です。近年は電子メールやグループウェアを用いることが多くなりました。これに特化した文書管理システムもあります。