Web教材一覧システム調達

オフショア委託


オフショア委託

オフショアとは,岸(shore)+離(off)の造語で「海外」の意味です。
 システムの開発やサーバの運用、サービスデスクなどの機能を継続的に海外の事業者や海外の子会社に委託することをオフショアアウトソーシングといい、特にシステム開発(継続的でもスポット的でも)を委託することをオフショア開発といいます。

オフショア委託の背景

オフショア委託が増加している理由として、次のことがあげられます。

オフショア委託の類型

IT企業でのオフショア開発

現地事業所のシステムだけでなく、国内利用のシステムでも、海外ベンダに再委託することが日常的になってきました。
 また、IT企業では、社会インフラのシステム開発やAIの活用など、高度な開発案件がありますが、これらの技術者を国内で調達するのは困難です。

主な発注先は、中国、インド、ベトナムなどです。主としてベトナムには安価な労働力を求めて労働集約型の詳細設計、プログラミング、単体テストなど下流工程が高い割合になっており、インドには高度な技術分野での委託比率が高くなっています。中国は、以前はベトナム型でしたが、技術力の向上によりシステム開発の上流工程まで委託することが多くなってきました(中国の人件費増大や委託の高度化が進んだために、下流工程分野がベトナムにシフトしたのです)。

ユーザ企業の海外拠点システム

このようなシステムは、従来は現地の日本ベンダに発注あるいは国内ベンダに発注して海外ベンダに再委託するケースが多かったのですが、大企業では直接に海外ベンダに委託することが多くなりました。グローバル企業では国内・海外の差別はないような状況です。

インターネットの高度化から、主要サーバあるいはオンラインストレージを海外に設置してプライベートクラウド環境を構築するケースもあります。また、コールセンターを海外に設置し、顧客応対を現地人に任せているケースもあります。

参照(2010年頃のオフショア委託資料)「ソフトウェアの輸入超過とオフショア開発」

オフショア委託での留意点

オフショア委託では、国内委託ではあまり重視していなかったことがトラブルの原因になります。
 国内事業所でも、多数の外国人技術者が働いています。彼らによる業務はオフショアとはいいませんが、共同作業を円滑に行うには同様な配慮が必要になります。

上記のような留意点を理解し、日本側とオフショア側の仲立ちをするIT技術者をブリッジSEといいます、オフショア委託をするには、これまでに気づかなかった知識・経験をもつブリッジSE人材を育成あるいは調達する必要があります。