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システム移行


システム移行とは

システム移行とは、現行の旧システムに代る新システムの開発が完了してから、新システムの稼働を開始し、旧システムを廃棄するまでのプロセスです。

次のような場合もシステム移行ではありますが、通常は異なる用語を使います。

典型的なシステム移行(ここでのシステム移行)は、次のようなものです。

システム移行の問題点

システム移行では、旧システムが稼働していること、業務の継続が求められることから、システム導入と比較して、次のような特徴があります。これらに留意することが大切です。

並行運用期間の短縮
新システムが安定するまで、業務を継続するために旧システムも稼働させる必要があります。この期間中は、両方のシステムにデータ入力をする作業が生じますし、旧システムで稼働しているハードウェアを撤去できません。
並行運用期間中は、労力や費用がかさみますので、期間を短縮することが求められます。
データの同期
新システムへの切替時点で、データファイルの内容が、旧システムでは最新状態になっているのに、新システムでは数日前の状況になっていると、大きなトラブルが生じます。同期がとれていることを確認することが大切なのですが、かなり複雑な作業になります。
過去データの新システム対応
旧システムで長年蓄積している保管データを、新システムで扱うためには、データやファイルの形式を変換する必要がありますが、大量のデータ、多様なファイルがあると膨大な作業量になります。
利用者の誤認回避
利用者は旧システムに慣れています。それが新システムでは異なると、多様なトラブルが生じます。回避するための説明や訓練が必要になります。
  • これまで経理部門で入力していたデータを、そのイベントが発生した部門で入力することに変更した場合、データが入力されない/重複して入力されることがあります。
  • バッチ処理をオンライン処理に変えたとき、以前は締切時刻までにまとめて入力すればよかったのが、イベント発生時に即時に入力する必要があります。入力と同時にデータベースが更新されることが理解されていないために、思わぬトラブルが生じることがあります。
  • 画面操作が微妙に異なり誤操作をすることがあります。「確認」ボタンと「終了」ボタンを間違えるなどです。
  • 新旧システムで用語(概念)が異なることもあります。これまで倉庫から出すときはすべて「出荷」だったのが、得意先への「納入」と、社内での「転送」に区分したなどです。入力で誤操作したり出力を誤解したりします。

システム移行計画

新システムの企画段階までも含む全工程を対象にすることもありますが、ここでは新システム開発以降の工程を対象にします。
 すなわち、上述の「システム移行」を適切に行うための体制、スケジュール、リスク対応などを整理して明示することです。
 このプロセスでの成果物が「システム移行計画書」です。その内容は、項目としては「システム導入計画書」や「システム運用計画書」と同じことが多いのですが、システム移行の特徴を留意した内容になります。

システム移行計画書の記載内容

システム移行計画書の記述内容は、移行環境や対象システムにより大きく異なります。また、移行作業はシステム開発者と利用者の共同作業が多いので、全体を一つの契約書の形式にするのは不適切です。
 それでここでは、「このような内容を記述するすることが望まれる」事項を列挙しました。