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1960年代頃のデータ処理

キーワード

カード、テープ、コーディングシート、パンチャー、連続用紙


現在では,クライアントのパソコンから[Enter]キーや[実行]ボタンを押せば,すぐに結果が表示され,誤りがあれば直ちに修正できます。このようにコンピュータと対話しながらデータを入力したりプログラムを作成することができます。
 ところが,1960年代当初では、データやプログラムをコンピュータに入力するのは、かなり面倒な作業でした。

紙テープと紙カードの写真 テープリーダとカードリーダの写真 (拡大図)

データの処理

  1. 支店や工場などの現業部門で伝票を起票すると,それを情報システム部門に郵送します。
  2. 情報システム部門には,パンチャーという職種があり,伝票のデータを紙テープや紙カード(右図)にパンチして(穴をあける)します。重要なデータはパンチミスを防ぐために,二度打ち(ベリファイという)をして確認します。
    このような方法では,時間がかかるだけでなく,データ誤りの責任があいまいになるし,現業部門での意識向上になりません。それで,現業部門でパンチまで行い,紙テープや紙カードを情報システム部門へ郵送するようになりました。
  3. 紙テープや紙カードをコンピュータ室に持ち込み,コンピュータの周辺機器であるテープリーダやカードリーダという読込装置から読み取らせてコンピュータ処理します。
  4. 処理結果はプリンタから出力されます。当時は、プリンタの構造上の都合により、ページがつながった連続用紙が用いられましたので、カッターという機械にかけてページに切断する必要がありました。
     また、プリンタ速度が遅かったので、同じ内容を数枚コピーする場合は、カーボン紙を間に入れた連続用紙を用い、セパレータという機械に掛けて,1枚ずつに切り離したのです。
  5. ページごとに切り離された帳票類を、現業部門別に包装して,郵送します。
  6. 現業部門は,その結果を見て,エラーの分を再起票します。

このような繰返しですから,正確なデータが揃うまでには1週間もかかってしまいます。

プログラムの作成

  1. 当時は、FORTRANやCOBOLなどの高水準言語は普及し始めた頃でした。多くのプログラムはアセンブラという難解な言語で作成されていました。→参照:「プログラミング言語の発展」(hs-prog-language)
    当時のプログラムの文法では、プログラムの記述欄が厳格に規定されていました。それで、プログラマはプログラムをコーディングシートという用紙に記述したのです。 (コーディングシートの写真)
  2. 作成されたプログラムは、データと同様に、紙テープや紙カードにパンチして、読取装置にかけてコンピュータに入力します。
  3. プログラムにはエラーがあります。連続用紙に出力されたプログラムリストに這いつくばりエラーを探す恰好から、エラーを探すことをデバッグ(バグとは虫のこと)といいます。
  4. プログラムを修正するには、紙カードや紙テープを差し替えることで行います。
  5. 当時のコンピュータは同時に一つのジョブしかできませんので,誰かがコンピュータを使用している間は使えません。ですから,1日に数回しかプログラムのテストができないのです。しかも業務処理が優先されるので,急ぐときには夜間に行うことも多かったのです。

古いことをながながと説明したのは懐古趣味ではありません。このような環境を現在の環境に変化させたネットワークの効果を示したいからです。
 また、当時は現在よりもプログラムが貴重な財産でした。いったん作成したプログラムを何度も繰り返して用いる分野を対象にしたのです。


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