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コア・コンピタンスとアウトソーシング

キーワード

コア・コンピタンス,アウトソーシング


企業競争に勝つためには、優れた能力(技術力,販売力,管理力など多様です)が必要です。優れた能力であるが、他社でも採用できる能力のことをベストプラクティスといい、他社の追従を許さない優れた能力のことをコア・コンピタンスといいます。長期的な競争戦略では、コア・コンピタンスを確立すること、それを継続的に向上させることが重要です。

インターネットやグローバル化により、世界が一つの市場になりました。これまでは国内で自社がいくつかの分野(事業分野や活動分野)でコア・コンピタンスをもっていたとしても、世界中には、それぞれの分野に、自社よりも優れたコア・コンピタンスをもつ企業が多数存在します。すなわち、これまで自社のコア・コンピタンスだとしてきた能力がコア・コンピタンスではなくなってきたのです。

コア・コンピタンスとアウトソーシングの関係図

経営資源には限界があるので、すべての企業活動でコア・コンピタンスを維持することはできません。経営資源を全体に配分したら,すべての分野でコア・コンピタンスを失う危険があります。それでコア・コンピタンスの分野に経営資源を集中することが必要になります。
 例えば、これまで展開していた事業を、自社が最も得意とする分野に絞りこむとか、生産から販売まで行っていた活動を、生産だけに集中することになります。

コア・コンピタンスにならない分野は,あえて自社で行なうのではなく,その分野をコア・コンピタンスとする他社にアウトソーシングするのです。それによって,企業活動の広い範囲でコア・コンピタンスを得ることができます。すなわち,アウトソーシングとは他社のもつコア・コンピタンスな経営資源を自社で活用することもいえます。

逆に考えれば,他社がアウトソーシングする分野を自社が受注するには,自社がその分野におけるナンバー1企業であることが必要ですし、さらには、その分野のコア・コンピタンスをもつオンリー1企業であることが有利になります。すなわち、コア・コンピタンスをもたない企業は,他社から見放されることになり,存在意義のない企業になってしまうのです (雑談)

○雑談

私たちは,とかく今までは自己分析をして「弱み」を発見し,それを勉強によりカバーすることが大切だといわれてきたのではないでしょうか? それでは常に自分の不利な分野で競争することになり,劣等感のかたまりになりますね。

社会では違います。社会で自分が存在するには「自分にしかできないことを持つ」こと,すなわちコア・コンピタンスを持つことが必要なのです。就職活動の面接では「あなたは何ができますか?」と質問されます。それは企業(社会)が,コア・コンピタンスを持つ人を求め,そのコア・コンピタンスをさらに高めて活用したいからなのです。
 コア・コンピタンスを得るのは,自分の優れた「強み」を発見して,それをさらに磨きをかけることが重要なのです。大学は「強み」の分野を探すことと,それをコア・コンピタンスにする手段方法を考える場なのです。それを理解して実践することにより,就職活動にも自信を持って臨むことができます。

では,「弱み」の部分をどうするか? 社会は自分一人ではありません。自分のまわりには,自分の「弱み」を「強み」としている人が大勢います。その人たちに応援をお願いするのです。学校の試験ではカンニングは厳禁ですが,社会では教えてくれる人を多く持つこと,すなわち豊富な人脈を持つことが重視されるのです。
 また,社会はギブ・アンド・テイクで成り立っています。応援をお願いできるのは,自分が他人に応援できるコア・コンピタンスを持つことが前提になります。コア・コンピタンスを持つことが,社会の一員としての存在意義を主張できるのです。

当然,「弱み」の克服も重要ですが,それはむしろ「強み」の拡大と考えましょう。世の中は甘くありません。自分の「強み」と「機会」が一致する確率を大きくするには,なるべく広い分野で「強み」を持っていることが必要なのです。

IT関係では、従来はIT化の企画から情報システムの開発・運用までのすべての業務を自社のIT部門が行っていました。しかし、開発や運用は自社のコア・コンピタンスではないのが通常ですし、専門のベンダに任せることができます。それに対して、ITが経営に重要な分野になってきたので、経営とITとの結合が自社のコア・コンピタンスになってきました。IT部門の戦略部門化やアウトソーシングをこのような視点で認識することができます。


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