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高等学校学習指導要領(平成21年改正)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/kou/kou.pdf

教育基本法の改正に伴い、平成21年3月に高等学校学習指導要領が改正されました。
 普通教科では、従来の「情報C」が「社会と情報」、「情報B」が「情報の技術」に変更になり、「情報A」はこの二つに分割吸収されました。内容も重点が変更になりました。
 専門科目では、重点とする内容に若干の変更がありますが、科目体系など大きな変更はありません。
 平成25年(2013年)4月入学者から適用されます。


第2章 各学科に共通する各教科 第10節 情報

第1款 目標

情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ,情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。

第2款 各科目

第1 社会と情報

1 目標

情報の特徴と情報化が社会に及ぼす影響を理解させ,情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用して情報を収集,処理,表現するとともに効果的にコミュニケーションを行う能力を養い,情報社会に積極的に参画する態度を育てる。

2 内容

(1) 情報の活用と表現
  • ア 情報とメディアの特徴
    情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用するために,情報の特徴とメディアの意味を理解させる。
  • イ 情報のディジタル化
    情報のディジタル化の基礎的な知識と技術及び情報機器の特徴と役割を理解させるとともに,ディジタル化された情報が統合的に扱えることを理解させる。
  • ウ 情報の表現と伝達
    情報を分かりやすく表現し効率的に伝達するために,情報機器や素材を適切に選択し利用する方法を習得させる。
(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション
  • ア コミュニケーション手段の発達
    コミュニケーション手段の発達をその変遷と関連付けて理解させるとともに,通信サービスの特徴をコミュニケーションの形態とのかかわりで理解させる。
  • イ 情報通信ネットワークの仕組み
    情報通信ネットワークの仕組みと情報セキュリティを確保するための方法を理解させる。
  • ウ 情報通信ネットワークの活用とコミュニケーション
    情報通信ネットワークの特性を踏まえ,効果的なコミュニケーションの方法を習得させるとともに,情報の受信及び発信時に配慮すべき事項を理解させる。
(3) 情報社会の課題と情報モラル
  • ア 情報化が社会に及ぼす影響と課題
    情報化が社会に及ぼす影響を理解させるとともに,望ましい情報社会の在り方と情報技術を適切に活用することの必要性を理解させる。
  • イ 情報セキュリティの確保
    個人認証と暗号化などの技術的対策や情報セキュリティポリシーの策定など,情報セキュリティを高めるための様々な方法を理解させる。
  • ウ 情報社会における法と個人の責任
    多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる。
(4) 望ましい情報社会の構築
  • ア 社会における情報システム
    情報システムの種類や特徴を理解させるとともに,それらが社会生活に果たす役割と及ぼす影響を理解させる。
  • イ 情報システムと人間
    人間にとって利用しやすい情報システムの在り方,情報通信ネットワークを活用して様々な意見を提案し集約するための方法について考えさせる。
  • ウ 情報社会における問題の解決
    情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用して問題を解決する方法を習得させる。

3 内容の取扱い

第2 情報の科学

1 目標

情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させるとともに,情報と情報技術を問題の発見と解決に効果的に活用するための科学的な考え方を習得させ,情報社会の発展に主体的に寄与する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) コンピュータと情報通信ネットワーク
  • ア コンピュータと情報の処理
    コンピュータにおいて,情報が処理される仕組みや表現される方法を理解させる。
  • イ 情報通信ネットワークの仕組み
    情報通信ネットワークの構成要素,プロトコルの役割,情報通信の仕組み及び情報セキュリティを確保するための方法を理解させる。
  • ウ 情報システムの働きと提供するサービス
    情報システムとサービスについて,情報の流れや処理の仕組みと関連付けながら理解させ,それらの利用の在り方や社会生活に果たす役割と及ぼす影響を考えさせる。
(2) 問題解決とコンピュータの活用
  • ア 問題解決の基本的な考え方
    問題の発見,明確化,分析及び解決の方法を習得させ,問題解決の目的や状況に応じてこれらの方法を適切に選択することの重要性を考えさせる。
  • イ 問題の解決と処理手順の自動化
    問題の解法をアルゴリズムを用いて表現する方法を習得させ,コンピュータによる処理手順の自動実行の有用性を理解させる。
  • ウ モデル化とシミュレーション
    モデル化とシミュレーションの考え方や方法を理解させ,実際の問題解決に活用できるようにする。
(3) 情報の管理と問題解決
  • ア 情報通信ネットワークと問題解決
    問題解決における情報通信ネットワークの活用方法を習得させ,情報を共有することの有用性を理解させる。
  • イ 情報の蓄積・管理とデータベース
    情報を蓄積し管理・検索するためのデータベースの概念を理解させ,問題解決にデータベースを活用できるようにする。
  • ウ 問題解決の評価と改善
    問題解決の過程と結果について評価し,改善することの意義や重要性を理解させる。
(4) 情報技術の進展と情報モラル
  • ア 社会の情報化と人間
    社会の情報化が人間に果たす役割と及ぼす影響について理解させ,情報社会を構築する上での人間の役割を考えさせる。
  • イ 情報社会の安全と情報技術
    情報社会の安全とそれを支える情報技術の活用を理解させ,情報社会の安全性を高めるために個人が果たす役割と責任を考えさせる。
  • ウ 情報社会の発展と情報技術
    情報技術の進展が社会に果たす役割と及ぼす影響を理解させ,情報技術を社会の発展に役立てようとする態度を育成する。

3 内容の取扱い


第3章 主として専門学科において開設される各教科 第7節 情報

第1款 目標

情報の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,現代社会における情報の意義や役割を理解させるとともに,情報社会の諸課題を主体的,合理的に,かつ倫理観をもって解決し,情報産業と社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。

第2款 各科目

第1 情報産業と社会

1 目標

情報産業と社会とのかかわりについての基礎的な知識と技術を習得させ,情報産業への興味・関心を高めるとともに,情報に関する広い視野を養い,情報産業の発展に寄与する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) 情報化と社会
ア 社会の情報化
イ 情報化の進展と情報産業の役割
(2) 情報産業と情報技術
ア 情報産業を支える情報技術
イ 情報産業における情報技術の活用
(3) 情報産業と情報モラル
ア 情報技術者の業務と責任
イ 情報モラルと情報セキュリティ
ウ 情報産業と法規

3 内容の取扱い

第2 課題研究

1 目標

情報に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

2 内容

(1) 調査,研究,実験
(2) 作品の制作
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

第3 情報の表現と管理

1 目標

情報の表現と管理に関する基礎的な知識と技術を習得させ,情報を目的に応じて適切に表現するとともに,管理し活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) 情報の表現
ア 情報と表現の基礎
イ 情報の表現技法
ウ 情報の発信
(2) 情報の管理
ア ドキュメンテーション
イ 情報の管理
ウ コンピュータによる情報の管理と活用

3 内容の取扱い

第4 情報と問題解決

1 目標

情報と情報手段を活用した問題の発見と解決に関する基礎的な知識と技術を習得させ,適切に問題解決を行うことができる能力と態度を育てる。

2 内容

(1) 問題解決の概要
ア 問題の発見から解決までの流れ
イ 問題解決の実際
(2) 問題の発見と解決
ア データの収集
イ データの整理
ウ データの分析
エ 最適化
(3) 問題解決の過程と結果の評価
ア 評価の方法
イ 評価の実際

3 内容の取扱い

第5 情報テクノロジー

1 目標

情報産業を支える情報テクノロジーの基礎的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) ハードウェア
ア コンピュータの構造と内部処理
イ 周辺機器とインタフェース
(2) ソフトウェア
ア オペレーティングシステムの仕組み
イ 応用ソフトウェアの仕組み
ウ 情報コンテンツに関する技術
(3) 情報システム
ア 情報システムの形態
イ ネットワーク
ウ データベース

3 内容の取扱い

第6 アルゴリズムとプログラム

1 目標

アルゴリズムとプログラミング及びデータ構造に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) アルゴリズムの基礎
ア アルゴリズムの基本要素
イ 処理手順の図式化
(2) プログラミングの基礎
ア プログラムの構成
イ 基本的な命令文
ウ プログラミング
(3) 数値計算の基礎
ア 基本的な数値計算
イ 実践的な数値計算
(4) データの型と構造
ア データの基本的な型と構造
イ データ構造とアルゴリズム
(5) アルゴリズム応用

3 内容の取扱い

第7 ネットワークシステム

1 目標

情報通信ネットワークシステムに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) ネットワークの基礎
ア データ通信の仕組みと働き
イ プロトコル
ウ 関連技術
(2) ネットワークの設計と構築
ア ネットワークの分析
イ ネットワークの設計
ウ ネットワークの構築
(3) ネットワークの運用と保守
ア ネットワークの運用管理 イ ネットワークの保守
ウ ネットワークの障害管理
(4) ネットワークの安全対策
ア 情報セキュリティポリシー
イ 不正行為とその対策
ウ ネットワーク利用者の啓発

3 内容の取扱い

第8 データベース

1 目標

データベースに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) データベースシステムの概要
ア データベースの概要
イ データベースシステムの活用
(2) データベースの設計とデータ操作
ア データモデル
イ データの分析とモデル化
ウ 正規化
エ データ操作
(3) データベースの操作言語
ア データベースの定義
イ データベースの操作
(4) データベース管理システム
ア データベース管理システムの働き
イ データベースの運用と保守

3 内容の取扱い

第9 情報システム実習

1 目標

情報システムの開発に関する知識と技術を実際の作業を通して習得させ,総合的に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) 情報システムの開発の概要
ア 情報システムの開発の基礎
イ 情報システム化の技法
(2) 情報システムの設計
ア 要求定義
イ 外部設計
ウ 内部設計
エ プログラム設計とプログラミング
オ テストとレビュー
(3) 情報システムの運用と保守
(4) 情報システムの開発と評価

3 内容の取扱い

第10 情報メディア

1 目標

情報メディアに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) メディアの基礎
ア メディアの定義と機能
イ メディアの種類と特性
(2) 情報メディアの特性と活用
ア 情報メディアの種類と特性
イ 情報メディアの活用
(3) 情報メディアと社会
ア 情報メディアが社会に及ぼす影響
イ 情報メディアと情報産業

3 内容の取扱い

第11 情報デザイン

1 目標

情報デザインに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) 情報デザインの基礎
ア 情報デザインの意義
イ 情報デザインの条件
(2) 情報デザインの要素と構成
ア 情報デザインの要素
イ 表現と心理
ウ 意味の演出
エ 要素の構成
(3) 情報デザインと情報社会
ア 情報デザインの実際
イ 人と情報デザイン

3 内容の取扱い

第13 表現メディアの編集と表現

1 目標

コンピュータによる表現メディアの編集と表現に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) 表現メディアの種類と特性
ア 文字
イ 図形
ウ 静止画
エ 音
オ 動画
(2) コンピュータグラフィックスの制作
ア コンピュータグラフィックスの編集
イ コンピュータグラフィックスによる表現
(3) 音・音楽の編集と表現
ア 音・音楽の編集
イ 音・音楽による表現
(4) 映像の編集と表現
ア 映像の編集
イ 映像による表現

3 内容の取扱い

第13 情報コンテンツ実習

1 目標

情報コンテンツの開発に関する知識と技術を実際の作業を通して習得させ,総合的に活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1) 情報コンテンツ開発の概要
ア 情報コンテンツ開発の基礎
イ 開発工程と管理
(2) 要求分析と企画
ア 要求分析
イ 企画
(3) 情報コンテンツの設計と制作
ア 情報コンテンツの設計
イ 情報コンテンツの制作
(4) 運用と評価
ア 情報コンテンツの運用と保守
イ 情報コンテンツの評価と改善

3 内容の取扱い

第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い


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