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IT技術者のイメージ


IT技術者あるいはその主な職場である情報サービス業には、ポジティブなイメージとネガティブなイメージが混在しています。
 大学生が、進路選択において、IT技術者に関して誤った認識をしていると、
  ・IT技術者として活躍する人材を失ってしまう。
  ・誤った認識でIT業界に就職して後悔する。
ことになりかねません。これは当人だけでなく、企業や社会にとっても大きな損失になります。健全な高度情報化社会を構築するには、優れた人材をIT分野に投入することが必要ですが、それには、一般の人がIT技術者に対して正しいイメージをもつことが重要です。
 教職課程の学生には、高校での授業をとおして、IT技術者に関する正しい認識を与えるためにも、自身が正しい認識をもつことが求められます。

中学生・高校生のもつイメージ

中学生や高校生は、TVなどの影響でしょうか、「IT技術者」に次のようなイメージを持っていることが多いようです。
 ・理系卒業生で頭がよく、最新技術を駆使している。
 ・青白い顔をしてメガネをかけている。
 ・人間関係に無頓着で付き合いが悪く、専門以外のことに関心を持たない。
 ・いわゆるヒルズ族をIT技術者だと思い、収入が多いと思っている。

近年、中学生や高校生の数学離れや理科離れが指摘されています。
 中学生の数学や理科の学力は、往年は日本が世界でトップだったのですが、近年の調査では東アジア諸国・地域に劣る状況になっています。学力低下以上に心配なのは、数学や理科の授業が楽しいと思っている生徒が少ないことです。(図表)
 IT技術者は必ずしも理系の職種ではありませんが、生徒たちはそのように思っているので、IT技術者への関心が低い状態です。高校生を対象にした将来の希望職業調査では、特に女子生徒の関心が低いことが示されています。(図表)
 全般的に、理工系への進学率は減少しています(図表)。情報学部の人気も低下しており、優秀な学生が志望する割合が少なくなったためか、同学部に入学した学生の質や水準も低下してきたといわれています。(図表)

情報学部を志望した理由として「もっとパソコン操作が上手になりたいから」という学生すらいるとのこと。小中学生のIT技術者観が続いているのですね。「情報技術=パソコン操作」の呪縛は恐ろしい。

大学生のもつイメージ

大学生になると、自分の進路選択の一環として、IT技術者やIT業界などに関する認識が高まります。理系の学生だけでなく、文系の学生でも、半数近くが(ある程度の)関心をもつようになります
 「興味がある」(IT関連職種につきたい)理由として、IT技術に関する面が多くあげられいますが、「ITが好き」「技術が身に付く」「先進的」など、プラスイメージでは技術面が重視されています。その反面、「興味がない」では、特に文系学生では自分には適性がないと思い込んでいる学生がいようです。また、IT業界に「労働時間が長い」「ストレスが多い」などのマイナスイメージをもっています。
 このようなイメージにより、IT技術者やIT業界を志望する学生は、理系学生では比較的多いのですが、文系学生では低い状態です。これは高校生のときの延長で、IT=数学=理系の仕事、IT技術者=プログラマという先入観が残っているからでしょうか。(図表)

IT業界の人事部の人に「大学生はIT業界にどのようなイメージをもっているか」を調査した統計があります(図表)
 「最先端」な「基幹産業」であるというプラスイメージと、「長期間労働」で「派遣・下請」、「35年定年、使い捨て」というマイナスイメージがあると把握しているようです。

進路関係者のもつイメージ

大学の進路担当者を対象とした調査では、進路担当者は情報サービス産業に関して次のような認識をしています。(図表)

高校生やITに関心が低い大学生の認識と比較して、この進路担当者のアンケートで、重要なポイントがあります。

(注)IT技術者がIT関連の仕事を選んだ理由としては、「仕事が面白い、技術が身に付く、専攻に合う」「分野の先進的・将来性」が多く、「給与が高い」や「社会的に重要」は重視していなかったという調査があります。 (図表)


理解度チェック: 正誤問題選択問題記述問題