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キーボード

キーボードの配列
キーボードの配列
ハンマー型タイプライタの写真キーボードの英字のキー配列の上段左を順に見るとQWERTYの順に並んでいます。それでこの配列をQWERTY配列といいます。この配列に準拠して,数字部分も含めた4段に48個のキーを使ってから文字に対応させたのがJIS配列です。すべてのキーの数が106個あるので,106キーボードともいいます。さらに,Windowsの操作性を高めるために,Windowsキー([スタート]ボタン機能)2つとアプリケーション・キー(右クリック機能)1つの計3つが追加したものを109キーボードといいます。国内のキーボードのほとんどがこの配列になっています。

ところで,キータイプの練習をした頃,なんでABC順に並んでいないのか不思議に思ったことはありませんか? そのとき,慣れてくるとこの配列のほうが指の動きが少なく速く打てるのだといわれませんでしたか?
 QWERTY配列は,必ずしも打ちやすい配列ではありません。そもそもタイプライタは,右図(UNDERWOOD,http://www.mini-itx.com/projects/underwood/より)のように鍵盤でハンマーを叩いて印字する仕組みでした。それで,ハンマーが絡まないように,打鍵速度を下げる必要があったのです。パソコンではその必要はないのですが,いったん「業界標準」となった後は変更が困難であり,現在でもこの配列が続いているのです(これは事実に反する俗説だとの指摘もあります)。

タイプボールの写真 手動タイプライタの写真

その後,ハンマー部は右の写真のようなボールに置き換えられました。打鍵するとボールが回転してリボンに押し付けられて印字できるというシカケです。右の写真は1960年代末頃のオリベッティ社の手動タイプライタ「バレンタイン」(複製)です。そのカバーから赤いバケツと呼ばれる有名なタイプライタです(ノアックス株式会社,http://www.noax.co.jp/Valentine.htmより)。

ファンクションキー
キーボードの最上段にある[F1]~[F12]のキーをファンクションキーといいます。Windowsでは,[F1]キーはヘルプ画面の表示,[F9]は英全角文字への変換というように,ほぼ決まった機能を持っていますが,アプリケーションによっても異なります。

マウス

この名付け親はセンスがありますね。ところが最初にマウスを作ったエンジェルバート(Engelbart,1967)のマウス(下左図→拡大図)はとてもマウスには見えません。

最初のマウス マウスボール

それに,みなさんが使っているマウスの底は赤い光がついているものではありませんか? ちょっと前までのマウスは,それがボールだったのです(上右図)。ボールの回転をキャッチして位置を判断していたのです。
 それで,滑らかな机ではボールが滑ってしまうので,マウスパットというゴム板を使いました。その板が小さいとマウスがうまく使えない。それで社長や部長の机には,机一杯の大きさのパッドを用意したものでした(?)。

フロッピーディスク

最近のパソコンではフロッピー装置がついていないし、フロッピーの製造も打ち切られるようになりました。それで、若い人は、見たことがないかもしれません。下左図のようなものです。現在では、持ち運びができる記憶媒体としてCD-RやUSBメモリが用いられていますが、1990年代まではフロッピーが主流であった。1.44MBの小容量ですが100円以下の低価格だったので、他人にデータを渡すときにもよく使われていました。

(拡大図)

「フロッピー」とは「ぺらぺら」の意味です。それでフレキシブルディスクともいいます。どうもイメージが違いますね。
 外見は硬いプラスチックになっていますが,その内部には薄い円盤が入っています。それが「ぺらぺら」なのです(上右図の磁気ディスクの部分)。

実は初期のフロッピーディスクは8インチ(20センチ)もある大きな薄い円盤で,紙のジャケットに入っていました(右図)。そのころのパソコンは発熱量が大きかったので、よく「うちわ」がわりに使ったものです。
 また,新入社員に「フロッピーを開いて(当然,パソコンに挿入してファイルを開くこと)」というと,ジャケットをハサミで・・・

プリンタ

インパクト方式

非常に昔のプリンタは,タイプライタのように,一字ずつ活字のハンマーでリボンを叩いて印刷していたので,あまりにも低速です。それで、1行をまとめて、一斉に印刷する方式になりました。それをラインプリンタといいます。
 それでも遅いものでした。プリンタで印刷するのを眼で読める程度でした。私の部下にソロバンの高段者がおり、私の集計処理のプログラムを実行させると、プリンタの前で「木暮さん、小計の結果はOKですが、中計と大計が間違っていますよ」と教えてけれる有様・・・。
 ハンマーで叩くのですからバサッバサッという騒音が出ます。1行に印刷する文字数により速度が異なります。それを工夫してリズムにすると音楽が演奏できます。「騎兵隊マーチ」が初心者でも作曲できました。

また、活字を叩くのですから、活字の数に制限があります。初期のプリンタでは、現在の半角文字程度しかなく、英数字とカタカナだけだったのです。
 そのうちに、活字ではなく細かいピンを並べておき、ピンがインクリボンを叩くことにより印刷するドットインパクト方式になりました。

このようなプリンタは、現在ではほとんど利用されていません。しかし,インパクト方式は、紙の間にカーボン紙を入れたり、感圧紙にすることにより、一度に同じ内容を数枚に複写する利点があります。それで、複写伝票が必要な業務には今でも利用されていることがあります。

連続用紙

パソコンではA4サイズなど1枚ずつにカットした用紙を用いますが、以前のプリンタでは紙送り機構が不安定でしたので、下図のような連続用紙を用いていました。それをカットする機械もありましたが、その作業に人手がかかっていました。

レーザプリンタ,高速プリンタ

高速ページプリンタの写真

インクジェット方式では1字づつ(あるいは1行づつ)印刷しています。
 それに対して,レーザ方式はコピー機と同じ原理で,感光ドラムに1ページ全体の印刷イメージを作成して,粉末のトナーをレーザを用いて用紙に印刷する方式です。ページ単位で印刷するので高速ですし,高品質の印刷ができ,騒音が少ないのが特徴ですが,インクジェット方式に比べてやや高価です。
 クレジット会社や銀行などでは,顧客への利用明細書を作成して郵送していますが,そのためには短期間で数百万枚もの印刷をしなければなりません。
 そのため,企業で非常に大量な印刷をするには,超高速のレーザページプリンタが用いられます(右図)。


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