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CPUとメモリ

キーワード

CPU、クロック、周波数、メモリ


CPU

中央演算装置ともいいます。CPUは,パソコンの全体を制御する制御装置と命令を処理する演算装置からなっています。

クロック周波数

パソコンの内部は,クロック周波数により制御されています。CPUの性能が3GHzということは,1秒間に30億回の動作(厳密ではない)が行われるということです。それでこの数値が大きいほど,処理能力が高いことになります。
 同じ構成のCPUならばクロック周波数の高いほうがCPU性能も大きくなります。しかし、異なる構成のCPUでは、クロック周波数だけで処理速度の比較はできません。

CPI(Cycles Per Instruction)

パソコンは機械語というプログラムで動作しますが,機械語の1命令は1クロックで実行できるものもあれば複数クロックを必要とするものもあります。また,演算装置の仕組みもCPUにより異なりますので,CPUの処理能力とクロック周波数とは一致しません。
 CPIとは、1つの命令(命令の種類で異なる)を実行するのに必要な内部クロックのこと。CPUの演算機構、命令セットにより異なります。

定格クロック

クロック周波数を上げると消費電力が増大するので、発熱量が増大します。放熱の工夫がなされていますが、それにも限界があり、許容最大発熱量(TDP)以下になるよう、CPUごとに最大クロック(定格クロック)を設定しています。

クロックアップ(オーバークロック)
BIOSの設定を変えると、定格クロック以上のクロックにすることができ、CPU性能を高めることができます。しかし、発熱量の増大により故障が起こりやすくなるだけでなく、発火することがあるので、行うべきではありません。
ターボブースト
近年は、マルチコアプロセッサが主流になってきました。アプリケーションによっては、動作しないコアが発生することがあります。各コアごとにクロックを制御する仕組みにすれば、全体の最大発熱量以下に保ちつつ、負荷が高いコアのクロックを上げることができます。それを自動的に行うターボブースト技術を採用したCPUチップが普及してきました。

メモリ

主記憶装置,内部記憶装置ともいいます(これに対して,磁気ディスクやCD-Rなどを補助記憶装置。外部記憶装置といいます)。CPUが直接に読んだり書いたりできるのはメモリだけなのです。プログラムやデータは外部記憶装置に保管されていますが,CPUが処理をするときは,それらの処理対象部分はメモリに取り出し,処理結果を外部記憶装置へ書き出しているのです。
 それで,パソコンで同時に多様なことを行うためには,メモリが大きくしておく必要があります。通常は,2GB~8GB程度です。

OSには「32bit」「64bit」などの表示があります。メモリとの関係でいえば、CPUはメモリの中での記憶領域(番地)を指定してアクセスしますが、その番地を表すビット数のことです。32bit=232≒4Gなので、メモリ容量が4GB以上あっても、アクセスできない部分が残ってしまいます。それに対して、64bitならば理論上は171億GBが取り扱えます。

1枚のメモリチップに実装できる容量は技術的に限界があり、容量が増大するとメモリの価格は急激に高くなります。それで同じ規格、同じ容量のメモリ2枚を一組にして一つのセットにして、それぞれのメモリに同時にアクセスすることで、データ転送の実効速度を向上させることが行われています、それをデュアルチャネル(2枚)といいます。その技術をDDR(Double Data Rate)といいます。同様に、トリプルチャネル(3枚)、クアッドチャネル(4枚)などがあります。近年はこのようなメモリが主流になってきました。