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ファイルの概念

学習のポイント

データベースを理解するための前提として,通常のファイルの概念を理解します。そして、ファイルに取り込むべき項目と,ファイル,レコード,項目の意味を理解します。

キーワード

コード,ファイル(表,テーブル),レコード(行),項目(列,属性)

参考動画:メディアリンク「ビジネスパーソンIT道場」


ファイルに持つべき項目

簡単な例により,ファイルに入れるべき項目を検討します。

当社では,売上が発生するたびに売上伝票が起票して,コンピュータに入力され,売上ファイルとして蓄積されます。毎月末になると,売上ファイルから請求書を出力して得意先に請求します。このときの売上ファイルのデザインを設計することを例にします。

売上伝票の図 請求書の図

ここでは,売上伝票の入力方法や請求書の出力方法は考慮しないで,請求書を出力するためにはどのようなデータ項目がファイルに入っていなければならないかだけに注目します。

  1. まず最初に,請求書に印刷されている事項を,すべての請求書に共通な部分(コダマ電器あての請求書でもリラックスあての請求書でも同じ部分)と,個々の請求書で異なる部分(コダマ電器の××年10月分の請求書に特有な部分)に区分します。
  2. ファイルに入れておかなければならない項目と,それらの項目から計算できる項目を分離します(後者はファイルに入れません)。

コードについて

請求書には,得意先コードや商品コードがないのに,売上伝票にはそれらをつけています。コンピュータ処理では,コードをつけることが重要になります。

  1. 得意先名には,異なる会社なのに同じ名称なときがあります。コードをつけることにより,それを防ぐことができます。
  2. 会社や商品の正式名称には長々しいものもあります。「グローバル・インターナショナル・デジタルイクイップメント・サービス株式会社」などを,取引のつど入力していたのでは非効率ですし,ミスも発生します。
  3. それに対してコードは通常は4~8桁で長いものでも13桁程度です。コンピュータの保管する容量が少なくなるし,処理効率もよくなります。

一般にはコード順で出力されます。また,似たものを並べることにより,区分けをするのが容易になります。適切なコード体系にすることが重要になります。
 得意先や商品は多様な切り口で分類することが必要になります。それを得意先コードや商品コードの体系でカバーしようとすると複雑になりますし,新しい切り口を作ろうとするとコードを変更しなければならなくなります。コードを変更すると,多くのプログラムに影響しますし,過去のデータとの整合性がとれなくなります。
 それを解決するには,得意先区分(ランク別,資本関係別,地域別などの区分)や,商品区分(商品系列,商品特性,管理区分など)を設定するのが便利です。ここでは,商品系列による「商品区分」を設けました。

このような分析により,売上ファイルに必要な項目は次のようになります(実際にシステムを設計するには,単に一つの帳票を得るためではなく,非常に多くの帳票を調べる必要があります。また,既存の帳票だけでなく,将来どのような情報が必要になるかも調査します。ですから,数百・数千におよぶ項目が列挙されるのが通常です)。

なお,ここでは、「売上ファイルには、年月日、得意先コード、・・・、単価の項目がある」ことを、次のように表記法します。
   売上ファイル=年月日
         +得意先コード+得意先名
         +商品コード+商品名
         +商品区分コード+商品区分名
         +数量+単価

項目,レコード,ファイル

売上ファイルのデザインは下表のようになります。

売上ファイルの内容
項目
年月日や商品コードなど,縦に並んでいるものを項目といいます。そして「年月日」や「商品コード」などの項目の名称を項目名といいます。
レコード
1組の全項目を並べた1件のデータのことをレコードといいます。よく「〇〇件のデータがある」というのは「レコード数が〇〇である」ことになります。
ファイル
同じデザインのレコードを集めたものをファイルといいます。すなわち,ここでの売上ファイルは同じ項目を持つ売上レコードを集めたものです。

これらは,いろいろな用語で呼ばれています。

 一般的用語として      ファイル レコード 項目
 RDBでの用語 (日本語) 表    行    列
 同上またはAccessで(英語) テーブル レコード フィールド
 その他                     属性

また、ここでは項目を列全体として説明しましたが、一つのレコードの項目を指すこともあります。


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