━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ IT Pro Executive Radar by 日経情報ストラテジー     2004/01/28 ……………………………………………………………………………………………… 〜 IT経営に関するニュースやトレンドを毎週お届けします 〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コ┃ラ┃ム┃ 木暮仁の「情報化の法則」(経営情報におけるマーフィーの法則) ━┛━┛━┛━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 歴史は繰り返す(情報活用技術における輪廻) ●よく走るハツカネズミは,同じコースをもっと速く走らされる。 ●1周遅れのランナーは,トップを走っているように見える。途中でゴールが引かれ  れば,実際にトップになることもある。 (サーバの輪廻)  昔は「性能は価格の二乗に比例する」というグロシュの法則により,大型コンピュ ータでの集中処理が行われていた。それが「CPUの集積度は18ヶ月で2倍になる」 (ムーアの法則)により,パソコンの価格性能比が飛躍的に向上してダウンサイジン グが行われ,利用部門に多くのサーバが設置された。ところが,「サーバ1台に人身 御供1人」が必要なため,「パソコンの総運営費用−TCO−は取得価格の5倍にな る」(ガートナーグループ)ことが判明した。さらにインターネットが普及し,「ネ ットワークのスピードは9カ月で2倍になる」(ギルダーの法則)ので,サーバの集 中管理が注目されている。  メインフレームよさようなら。LANです。クライアント・サーバです。管理費が 高くつきますね。ではイントラネットにしましょう。回線も安くなったことだから, サーバを利用部門に置くよりも,集中したほうが管理が容易です。情報システム部門 はサーバだらけになりましたね。これでは場所ふさぎですから,1台の筐体にまとめ ましょう。・・・あれ? これはいつかやってた方式ですね。 (クライアントの輪廻)  パソコンのない頃,汎用コンピュータのTSS利用では,「ダム端」(単なる入力・ 出力機能しか持たない端末のこと。現在では禁止用語)を用いていた。ダム端では仕 事にならない。パソコンだ。これではバージョンアップやセキュリティ対策が大変だ。 3層構造にしよう。イントラネットにしよう。クライアントのソフトはWebブラウ ザだけでよい。・・・あれ? ダム端に戻っちゃった。ところで,"Thin PC”はどう なったのだろう? (情報化方針の輪廻) 大昔:コンピュータは企業発展の機関車である。従来の手作業を前提した仕事の仕方   を根本的に改革する。旧弊の慣習に染まっている利用部門の意見ではなく,経営   的観点からのアプローチが必要だ。 長期間:情報システムは使われてこそ価値が生じるのです。利用部門は顧客であり神   様です。顧客満足を図ること,神様のご意思を実現することが従僕である情報シ   ステム部門の任務なのです。 最近:BPR実現のためのERPパッケージである。現状維持志向のユーザニーズに   よるカスタマイズは厳禁する。靴に足を合わせよ。足が不適切な者は切れ。 (ITガバナンスの輪廻) SIS:情報システムは経営の立場からマネジメントするべきである。CIOを設置   せよ。SEあがりをCIOにするな。 CSS:不確実な状況にある情報ネットワークの将来像を適切に示すことが重要だ。   経営云々など抽象的ゴタクを並べているだけの素人CIOは去れ。 IT革命:情報技術の活用は企業存亡の問題だ。社長自身がCIO(CSO:戦略担   当役員)となり陣頭指揮を執れ。 EA:全社的な情報関連構造を構築するべきだ。高度な情報技術を持つITアーキテ   クトが必要だ。